サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 【アンサングシンデレラ】薬剤師はどう見たか

――世間的なヒットはできなかったものの、今年の夏クール、薬剤師にスポットを当てた珍しいドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』が放送された。医師や看護師に耳目が集まることはあるが、では今回改めて注目された薬剤師たちは、このドラマをどう見たのか?

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ドラマ版は、田中圭や西野七瀬など今をときめくタレントが目白押しだったが……。

 連続ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)は、石原さとみの主演作として前評判的にはそれなりに注目を集めたものの、新型コロナウイルスの影響で放送が延期された影響もあってか、残念ながらかんばしい結果を残せなかった。石原自身もこの結果をもって女優業に見切りをつけ、結婚に踏み切ったような報道もあった。

 原作は「月刊コミックゼノン」(コアミックス) で連載中の荒井ママレによる『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』。調剤薬局やドラッグストアなどさまざまな場所で働く中でも、病院勤務の薬剤師が主人公。信念を持って、患者一人ひとりと真摯に向き合っていくというストーリーで人気となっており、飽和する医療系ドラマが最後に取り上げたテーマとして、映像化と相成ったわけだ。

 今回、医者や看護師と同じく医療の現場と密接に関わっている職種ながら、“地味で一般人には存在を意識されづらい”業務に、テレビドラマを通してスポットライトを当てた功績は、見過ごせないだろう。 その一方で、ドラマなだけに、現実離れしたストーリやキャラクターの行動などもあり、SNSなどで多くの疑問が投げかけられていた面もある。

 実際に、薬剤師界隈ではこのドラマをどう見ていたのか? そして、“地味で一般人には存在を意識されづらい”この職業について、当の薬剤師たちに話を聞いてみた。

〈参加者〉

A氏……都内の調剤薬局
B氏……大手薬局チェーン
C氏……病院前にある調剤薬局

――まず、平均視聴率が2桁を超えなかったこのドラマですが、薬剤師界隈ではどのように受け止められていたのでしょうか?

A 私は病院ではなく調剤薬局勤務なんですが、従業員の半分以上が見てましたよ。ドラマとしてはわりと忠実に薬剤師の仕事が再現されていて、“地味なりにやり甲斐を感じるお仕事”が丁寧に描かれていたので、好意的な感想が多かったです。

B 僕もいい作品だなと思いました。薬剤師って患者さんからすると、ただお薬を用意してるところだけしか目に触れないので、渡す前にどんなことをやってるのかが、ドラマで表現されたことはよかったんじゃないですかね。

C でも視聴率が悪かったとのことなので、もしかしたら視聴者は薬剤師界隈だけだったかもしれないけど(笑)。やっぱり大げさな表現や誇張した描写が多かったとは思いました。原作にはない話も入れ込まれて、結構無理にドラマチックにしようとはしていて。石原さとみの演技が過剰なので、余計に目に付きましたよ。

B 通常、患者さんが飲んでるお薬は「お薬手帳」などに載ってるんですが、それに載ってないものを、わざわざ患者さんの自宅までいって調べる……みたいなことは絶対しないよね。

C コロナ禍での収録だったろうに、わざわざロケシーンを増やさなくてもよかったんじゃないですかね。処方箋に疑問を感じたとして、教科書とかを確認しただけで医師に詰め寄るようなことはまずあり得ない。

B 正直、医師の診断に口を出すのはある意味タブー。例えば薬の副作用に関して「こちらの薬はいかがでしょうか?」みたいに提案することはあるけど。薬が安全に処方されてるかをディスカッションをするのであって、あんなに攻撃的に詰め寄ったりするようなことはないですね。

C あと、登場する医師も結構傲慢に描かれていましたね。

A 少なくともうちでは、都内ではこんな医師像は現代的じゃないね、と言われていました。

B 今みたいに医薬分業がキッチリしてなくて曖昧だった頃は、「お前らは薬だけわたしてろよ」みたいな態度の医師もいたと、先輩から聞いてる。今も開業医とかだと、そういうところもあるのかもしれないですが……。そういえば、処方箋に疑問があったので問い合わせたら「患者さんとの関係性が悪くなるじゃないか!」みたいに言われて、わざわざ謝りに行かされていた店長もいました。

C 逆にいい関係が築けている病院とは、医師とお互いに薬について確認し合ったり、会食でご一緒したりしていろいろ意見交換できたりしますからね。

B 基本的に、薬局からの問い合わせがあったときに、不遜な対応をしたり、どなりつけて拒絶したりなんかして、関係が悪くなると医師にとってデメリットしかないですよ。

 それから、例えば飲み薬で十分なのに「患者さんが安心するから」といって塗り薬も出すみたいなこともあって。でもそれって、過剰診療と査定されることもあるから保険的に通るかが危ういこともあります。そうなると、お薬代を保険から削られるのは結局、病院側ですから。経営的にも相互に良好な関係があったほうがいいことは、医師側ももちろんわかってらっしゃいますよ。

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