――シーズン4の放送開始と同じタイミングとなる本誌20年9月号のインタビューに登場したralph。優勝を手にした直後に、率直な感想を聞く。
(写真/cherry chill will.)
「ファイナルまで残れたからといって、優勝しなきゃ意味がないとは思っていなかった。ジャッジは審査員によるものだし、とにかく自分はいつものようにベストを尽くすのみ、という気持ちでした。
自分とItaqが昔作った曲で『言ってみりゃこのGAMEは四角錐/でもバカにゃ頂点しか見えてない/俺がいるのは底辺の角/つまり最先端は1つじゃない』ってラップしたんですけど、今の日本語ラップは気楽に聴けたり、オートチューンだったり、そういった華やかなシーンに憧れすぎているきらいがある。俺の好きな日本語ラップは、重くてアンダーグラウンドにいるような、そんなスタンスなんです。なので、俺がラップスタアに出場した理由っていうのは、もしその華やかさだけがヒップホップだと思っているヤツらがいたなら、それは間違いだと背中を押したかったからなんですよ。本来だったらオーディション番組なんかフェイクだワックだ、って思ってた側の人間だったんですけど、自分が距離をとってたら、いつまで経ってもわかってもらえない。だから、出場することに意味があるんじゃないかなと思ったんです。