サイゾーpremium  > 特集  > IT  > 米国【大麻用電子たばこ】産業事情

――近年、日本で加熱式たばこや電子たばこを吸う人が増えたが、アメリカでは大麻用の電子たばこが大流行している。ウェブサイト「サイゾーpremium」にて「LA大麻栽培記」を連載する東京出身でLA在住のフリーライターとカメラマン夫妻が、そのテクノロジーやビジネスを現地からレポート!

1811_P056-061_02_300.jpg
LAのディスペンサリー〈メッド・メン〉は、アップルストアのような内装。店内には若者客だけでなく年配客の姿も見られる。

 日本では数年前からIQOS、Ploom TECH、gloといった加熱式たばこや電子たばこが普及し始めたようだが、アメリカの街中でもベイポライザーと呼ばれる電子たばこをよく見かける。その人気の理由は、たばこの発がん物質が軽減され、副流煙が少なく、持ち運びやすいからだ。ただ、私たち夫婦が住むカリフォルニアのLAでは、別のタイプのベイポライザーがトレンドとなっている。それが、カナビス(大麻)用のベイポライザーである。

 2018年現在、カリフォルニア、ネバダ、オレゴン、ワシントン、コロラドなど9つの州では娯楽用の大麻が合法であり、医療用大麻については30州で合法となっている。前者の娯楽用大麻が合法の州に関しては、医師の処方箋がなくても、21歳であれば誰でも大麻をディスペンサリー(大麻薬局)で購入することができる。このような合法化の動きに伴って、ここ数年でカナビス用ベイポライザーの技術が飛躍的に進歩しているのだ。

 ところで今年1月、日本では人気ラッパーのUZIが大麻取締法違反で逮捕され、話題となったようだ。その後に放送された情報番組の“ガサ入れ”映像では、マトリ(厚生労働省の麻薬取締部)が“大麻リキッド”なるものを初めて目にしたことが強調され、「大麻リキッドは成分濃度が高くて極めて危険な薬物であり、アメリカで蔓延しつつある」とのナレーションも添えられていたと聞く。しかし、カリフォルニアでは大麻リキッドがそんなイメージで“蔓延”している様子はないし、大麻リキッドには“オイル・ベイプ・カートリッジ”という正式名称がある。このカートリッジをべイポライザーに装着して大麻を吸引することは、大麻を安全に摂取する方法として普及しているのだ。

1811_P056-061_03_300.jpg
〈メッド・メン〉のスタッフであるタイ・カリスさんから勧められたのは、Kurvanaというブランドのオイル・カートリッジ。不眠症や体の痛みに効果的だという。

 例えば、LAのウェスト・ハリウッドには〈メッド・メン〉という名の人気ディスペンサリーがあり、まるでアップルストアのようなオシャレな内装の店内(画像1枚目)でスタッフのタイ・カリスさん(画像2枚目)はフランクにこのように話す。

「ミレニアル世代の間では特に、ベイポライザーでカナビスを摂取する方法がもっともポピュラーなんだ。カナビスに火をつけて、ガラスパイプなどで煙を吸う方法は発がん物質が発生するけど、ベイポライザーはそれがないからヘルシーなんだよ。それに、持ち運びが便利だし、吸うときに嫌なにおいも出ない。しかも、さまざまなフレーバーのオイルが発売されているから、吸いやすいね。それに、8分の1オンス(約3・5グラム)の乾燥マリファナと同じ30~70ドル(約3400~7900円)くらいでオイル・カートリッジが買えるけど、カートリッジひとつで100回吸えるからコスト・パフォーマンスがとてもいいんだ」

 こんなディスペンサリーが私たちの家の近所にあるが、本稿ではLAを中心にアメリカでの大麻用ベイポライザーをめぐる状況についてレポートしていこう。

拡大する大麻産業から多額の税収が見込める

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2018年12月号

禁断の映画と動画

禁断の映画と動画
    • 【ライブ配信】儲けのカラクリ
    • 【本田翼】もハマるゲーム実況
    • 決定!2018年【邦画ラジー賞】
    • 【アジア系】が逆襲するハリウッド
    • 注目のハリウッド【アジア系俳優】
    • 【片山萌美】ショーガールグラビア
    • 俳優に責任を問う【報道の愚行】
    • 【自主制作映画】の現場からの悲鳴
    • 【小川紗良×堀田真由】映画大討論会
    • Netflix産【ヒップホップ映像】の社会性
    • 傑作【ヒップホップ】動画10選
    • 【ネトフリ×ヒップホップ】作品レビュー
    • 映画・ドラマ【サントラ】の裏事情
    • ネトフリの【麻薬ドラマ】のリアル度
    • 奇想天外【アフリカ】の忍者映画
    • 世界は【忍者】をどう描いたか?
    • 【深夜アニメの劇場版】が儲かる不思議
    • 劇場版アニメに見る【ポストジブリ】争い
    • 【ジャニーズ】がキラキラ映画で失敗する理由
    • 意外と面白い【キラキラ映画】レビュー
    • 【中東情勢の今】がわかる映画
    • 【芸能プロ】に映画監督が所属する理由

"異能作家"たちが語る「文学、新宿、朗読」論

    • 【石丸元章×海猫沢めろん×MC漢×菊地成孔】対談

NEWS SOURCE

    • タッキーも初出場?【紅白&レコ大】芸能行政
    • 【佐伯泰英】がご乱心?作家と遺産問題
    • 【電力自由化】後の不公平な業界構造

インタビュー

    • 【奥山かずさ】ニチアサで躍進した女優の未来
    • 【TENG GANG STARR】新鋭の男女ユニットラッパー
    • 【ガリットチュウ福島】モノマネ芸人、写真集までの歩み

連載

    • 【橋本梨菜】ギャル男をマネタイズしたいんです。
    • 【RaMu】YouTubeで人気の美女が泡まみれ
    • 【ダレノガレ】は突然に
    • 日本の【AI市場】と日本企業のAI導入の真実
    • 【オスカー社員】が大量退社で瓦解!?
    • 祭事的【渋谷ハロウィン】分析
    • 【出前アプリ】を支えるライダーたちの過酷な日常
    • 【フレディー・マーキュリー】の一生
    • 町山智浩/『ボーイ・イレイスド』ゲイの息子と神のどちらを選ぶのか?
    • ジャーナリスト殺害事件で変わる【サウジ】の覇権
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子の「ドラッグ・フェミニズム」
    • 「念力事報」/それがジュリー
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【カーネーション】フェミ論点全部乗せの名作朝ドラ
    • 「俺たちの人生は死か刑務所だ」ギャングの豪快な人生
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【山陰】でビール造りに励む男
    • 【薔薇族】刊行で去っていく友と、死を恐れぬ編集者
    • 幽霊、紅衛兵たちのアニメ映画興行。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』