サイゾーpremium  > 連載  > 丸屋九兵衛の音樂時事備忘「ファンキー・ホモ・サピエンス」  > 「ファンキー・ホモ・サピエンス」【60】/【ジェイ・パーク】「元2PM」の看板も今は昔
連載
「ファンキー・ホモ・サピエンス」【60】

【ジェイ・パーク】「元2PM」の看板も今は昔。ゆきて帰りしジェボムくん

+お気に入りに追加

『Ask Bout Me』

1809_FHS_09_JK_230.jpg

ジェイ・パーク(販売元:Roc Nation)

ジェイは契約時、「アジアン・アメリカンにとっての勝利、見過ごされて、正当な評価がされてこなかった我々にとっての勝利」と語ったという。1年を経て発売された本作は全曲(ほぼ)英語リリックで、2018年モードのトラップ系ヒップホップ/R&Bが満喫できる好作。リード曲は2チェインズ参加の焼酎ソング「Soju」だ!

 その男は、指の先までタトゥーだらけである。彼は時にマイケル・ジャクソンを意識したダンス・クラシック調の曲で歌い踊ったかと思うと、“ミーゴス以降”の時代を感じさせるオートチューンを駆使したトラップなトラック上で気だるくラップしてもみせる。

 ロック・ネイションからのデビューEP『Ask Bout Me』を発表したばかりの彼。こんな男が、かつて2PMに在籍していたとはなあ……。

 ジェイ・パーク(Jay Park)、韓国名〈パク・ジェボム〉にとっては長い道のりだったに違いない。その旅路は、アメリカから出発し韓国を経てアメリカに戻る「ゆきて帰りし(home-away-home)物語」だった。まさに、ひとつの青年のビルドゥングスロマン、と呼ぶべきか。

 韓国系アメリカ人のジェイは1987年、アメリカ合衆国西海岸の北のほう、ワシントン州シアトル市郊外に生まれた。アジア系が14%を占めるシアトル(2010年国勢調査)は、全米平均6・8%に対して、かなりアジア度の高い街といえるだろう。そんな環境で育った彼は、10代初頭にヒップホップに目覚め、自らリリックを書くようになっていた。さらに彼は、ブレイクダンスに興じるBボーイとなった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年12月号