サイゾーpremium  > 特集  > 社会問題  > 進化するカメラと写真【1】/【AI】進化でカメラマンが消滅する日

――AIの発達していく中、IoT社会を支える技術としてカメラの進化は不可欠。画像解析による顔認識やAIアルゴリズム、ディープラーニングを使った画像補正など多方面に拡散しており、これらが生活や文化・感性にまで浸透しつつある。カメラの進化で、我々の表現はどう変わっていくのか?

1806_P080-083_p1_300.jpg
現在の写真界で、衝撃作品を生み出し続けるヴォルフガング・ティルマンス。

 写真はテクノロジーの進歩と共に発展・変化を遂げてきた。むしろ、写真を撮影するために必要な機械=カメラは「テクノロジーそのもの」だ。写真を取り巻くテクノロジーの発展は新たなカルチャーを育み、人々の世界観を大きく刺激してきた。目の前で起きたことを「記録」もしくは「再現」する技術、そしてまた誰も見たことがない風景を切り取る「カメラ×写真家」の視点が、社会的な価値観を進歩させる上で果たしてきた役割は大きい。

 歴史を遡れば、カメラ技術が本格的に発展を遂げ始めたのは19世紀。それまでの写真撮影には長時間露光や大型設備が必須だったが、1888年にはコダックが世界初のロールフィルムカメラを開発。それから約40年後の1925年には、ライカが35ミリフィルムを利用できるコンパクトカメラを世に送り出した。小型化したカメラは、2度の世界大戦と共に、報道写真家たちの“欠かせないパートナー”となった。

 写真技術の発展とコストダウンは、商業的な写真文化に大きな影響を及ぼし、企業の営利・広告活動にも欠かせないものとなっていく。世界的ファッション誌「Vogue」の表紙を見ていると、40年代までイラストが多いが、50年に入ると写真がその場を一気に占め始めたことに気付く。

 75年には、米国人スティーブン・サッソンによって、世界初となるデジタルカメラが開発された。当時、彼が開発したのは、100×100ピクセル、1万画素という低解像度だった。が、そのアイデアは世界中に拡散。やがて数千万画素という高スペックが実現され、現在ではほとんどすべてのスマートフォンに搭載されるほどにコモディティ化した。

 フィルムからデジタルへの移行、そしてスマートフォンへのカメラ搭載というパラダイムシフトは、世界中の人々を“写真家”に仕立てあげ、その作品群をデジタルスペースに共有・投稿するという流行りのカルチャーも生んだ。今日、インスタグラムやフェイスブックなどSNSを中心に、数えきれないほどのイメージが氾濫している。写真は爆発的に「民主化」され、一部のフォトグラファーやアーティストだけがその存在を独占するものではなくなった。

 そして今日、写真およびその文化は新たなテクノロジーの登場により、さらなる変化を遂げようとしている。その新たなテクノロジーとは、多くのビジネス領域で本格的な実用化が始まりつつある「人工知能」(AI)である。

マイクロソフトも参戦! AIで写真は進化する

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年9月号

戦争と平和

戦争と平和
    • 平和を願った【ジャニー喜多川】の戦後史
    • 【スピルバーグ映画】が訴える戦争
    • アメリカの【アトミック・カルチャー】
    • 【PTSDになった日本兵】の悲しき境遇
    • 【BTSDアメリカ兵】を描いた傑作映画
    • 米軍では反発も…【LGBT自衛隊員】の憂鬱
    • 戦争を金に!【トランプ】の魂胆
    • ドラッグ、殺人【米ラッパー】の司法戦争
    • アイドルが歌う【反戦歌】と音楽業界
    • 【激戦地区】の異文化と気候の地政学
    • 【映画監督・塚本晋也】ベトナム戦争映画のトラウマの意義
    • 【映画監督・想田和弘】GoProで撮影された映画で観客が失神
    • 【映画監督・宮崎大祐】戦争の記憶を掘り起こす異常な暴力映像
    • 【ラッパー・Kダブシャイン】禁断のアメリカ史を描いたフィルムメーカー
    • 【イスラーム映画祭主宰・藤本高之】中東紛争に肉薄した3作品
    • 卍とハーケンクロイツ【ナチスと仏教】の結びつき
    • 国防としての【サイバーセキュリティ】

竹内渉、究極の"美尻"撮

竹内渉、究極の
    • 【竹内渉】が魅せた色香と素顔

NEWS SOURCE

    • 【関ジャニ錦戸】退所報道の舞台裏
    • 【ソニー】音楽ビジネス大改革の裏側
    • 【秋元司・内閣府副大臣】の疑惑とは

インタビュー

    • 【上原実矩】──"年金"で女優業に目覚める !?
    • 【田川隼嗣】──18歳が月9の現場で武者震い
    • 【釈迦坊主】──元ホストラッパーの光と闇

連載

    • 【RaMu】二郎デビューしたんです。
    • 【川上愛】スパイに間違えられたモデル
    • 【菜々子】が一番大事
    • 【動画メディア】の未来と情報発信のあり方
    • 【萱野稔人】人間は"教育"によって生かされている(後)
    • 高須基仁の/【テレビ】はもう終わった
    • 盆踊りに【使徒】襲来
    • 中国大富豪たちの【ポッドキャスト】
    • 【RIZE】逮捕で考える薬物とロック
    • 町山智浩/【おしえて!ドクター・ルース】90歳のセックス・セラピスト
    • ポピュリズム政策【MMT】は日本経済の救世主か?
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/帝国の翳り
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/マンガ『1122』ソリューションとしての不倫
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 伊賀の里でビールを仕込む【忍者ブルワー】見参!
    • 幽霊、新しい大衆はもう猿を見ない。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』