サイゾーpremium  > 特集  > 本・マンガ  > 【田中聖】の青春を彩ってきたマンガ

――今年30歳を迎えた田中聖。元KAT-TUNメンバーであると同時に、約1年前に結成されたロックバンドINKTでの活躍で大きな注目を集めている。そして彼は、知る人ぞ知るマンガ好きでもあるのだ。彼が語るマンガ遍歴、そして、目指すべきところをあのマンガにたとえると……?

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(写真/黒瀬康之)

 田中聖。バンドINKT(インク)で「KOKI」として作詞とボーカルを担当する30歳。ジャニーズ事務所のアイドルグループ・KAT-TUNの元メンバーとして、彼のことをご存じの方も多いだろう。彼は13年にKAT-TUNを脱退、翌14年にはバンドINKTで再始動し、新進気鋭のバンドとして大きな注目を集めている。

 ジャニーズ時代から独特のキャラクターで知られる彼だが、実は大のマンガ好き。自ら“ヲタク”を明言し、Twitterでコスプレ写真を披露するほどなのだ。

「親より、どんな恋人よりも近くで寄り添い続けているのはマンガ」と語る田中聖。その人生を、マンガはいかに彩ってきたのか? シンガポールの音楽フェス『SKECHERS SUNDOWN FESTIVAL 2015』から帰還したばかりの彼を直撃した。

――田中さんがマンガ好きとして知られるようになったのは、ここ2年ほどです。最近はどんな作品を読んでいるのですか?

田中聖(以下、田中) 今、単行本を買って読んでいるのは、『いぬやしき』【1】『亜人』【2】『テラフォーマーズ』(集英社)、『進撃の巨人』(講談社)、『東京喰種トーキョーグール』【3】『アイアムアヒーロー』(小学館)、『セブン☆スター』(講談社)……。それとは別に、「週刊少年ジャンプ」(集英社)を中学時代から毎週欠かさず買っています。読むときは一作品も飛ばさず、表紙から最後の筋トレの広告まで全部読みますよ(笑)。ジャンプ作品は完結後に単行本をまとめて買うんですが、『ジョジョの奇妙な冒険』と『HUNTER×HUNTER』だけは別格で好きなので、出るたびに買いますね。

――生粋のジャンプっ子なんですね。そんな田中さんのマンガ初体験は?

田中 幼稚園の頃、10コ上の兄貴の部屋に忍び込んで、『ドラゴンボール』とか『BASTARD!!』(共に集英社)を盗み読みして興奮していました。そう、不純な動機だったんです。ブルマのちょっとエッチなコマがある巻にペンで印をつけておいて、「これだこれだ」って本棚から抜き出すんですよ。『BASTARD!!』はまだ早すぎて、とにかくエロいってことしかわからなかったですけど(笑)。幼稚園時代は、『キャプテン翼』(集英社)に影響されてサッカー教室に入るものの、内向的な性格ゆえにボールが怖くて、「ボールは友達じゃない」ってやめちゃったこともありました(笑)。

 その後もマンガは普通に好きで、小学校中学年までは「月刊コロコロコミック」(小学館)、「コミックボンボン」(講談社)を読んでいましたね。小5のときには、マンガクラブに入って『名探偵コナン』(小学館)や『ドラゴンボール』なんかの模写をしていたり。で、中学に入って「週刊少年ジャンプ」を買うようになったんです。『グラップラー刃牙』(秋田書店)、『カメレオン』【4】『GOLD』(少年画報社)、『高校鉄拳伝タフ』【5】なんかのヤンキーマンガにのめり込んだのも、この時期。自分で買うだけじゃなく、兄貴の好きな『キン肉マン』『北斗の拳』(共に集英社)など黄金期のジャンプマンガ、弟の好きな『Dreams』(講談社)、『MAJOR』【6】なんて野球マンガも読み漁っていました。

――中学2年生になるとジャニーズ事務所に入所されますが、マンガとの接し方は変わりましたか?

田中 仕事で地元の千葉から東京まで出てくるようになって、行き帰りの電車内でマンガを読む習慣ができました。渋谷まで片道1時間はかかるので、その気になれば単行本4~5冊は読めちゃうんです。そうそう、ファンの子に『赤ちゃんと僕』【7】を勧められたのがきっかけで、少女マンガを読むようにもなったんですよ。『赤ちゃんと僕』は、思春期でツッパりたい時期なのに、電車の中で読みながら突っ伏して号泣した思い出があります。その後、少女マンガの王道に触れたくて『キャンディ・キャンディ』(講談社)を読み、おふくろが読みたがっていたのもあって『花より男子』(集英社)を読み……。高校時代には同級生に勧められて『NANA』【8】にハマりました。最近だと、『俺物語!!』(集英社)も面白かったですね。

――ファンのおかげで雑食ぶりに拍車がかかった、と。高校時代にKAT-TUNを結成して、ますます多忙になったと思いますが……。

田中 それでも、時間を見つけてはマンガを読んでいましたよ。移動中や楽屋にいるとき、授業中にも隠れて読んだり。何より家に帰ってお風呂に入りながらマンガを読むのがすごく贅沢で大事な時間になりました。デビューしてからは、すごく体力、精神力を使うこともあったので。

作品愛が高じてコスプレも リヴァイの衣装は8万円!?

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2013年11月25日のツイートで披露した、『ONE PIECE』のトラファルガー・ローのコスプレ(左)と、『進撃の巨人』のリヴァイ兵長のコスプレ。イケメンがやるとやはりサマになります。

――ヒマ潰しの材料だったマンガが、気づけばプライベートの大切なパートナーになっていたわけですね。では、今までで影響を受けたマンガといえばなんでしょう?

田中 やっぱり、ヤンキーマンガが大きかったかもしれないですね。人生勉強的な意味だと『ギャングキング』【9】。初めて読んだのは20歳前後でしたが、自分が生きる上で大事にしたいなと漠然と思っていることを言葉にしてくれた作品です。例えば、「どんなことが起きても対処できるように常に最悪の事態を想定して物事に臨む」とか、「世間にとっていい奴が、自分にとっていい奴であるかは別。自分にとっていいやつは、好きな奴のことなんだ」とか。作者の柳内先生は夢を追う思春期の少年の葛藤を描くのがうまくて、ほかの作品も大好きですね。ほかにも、『カメレオン』とか『疾風伝説 特攻の拓』(講談社)を見て「こういう髪形してみたい!」って美容院に持っていったりしたこともありました。ヤンキーマンガに限らず、好きになると自分がそのキャラになりたくなっちゃうんですよ。

――ツイッターで公開していたコスプレもその流れですか?

田中 そうですね。コスプレは3~4年前に趣味の範疇で始めて、やったのは『ONE PIECE』(集英社)のエースとトラファルガー・ロー、『進撃の巨人』のリヴァイ兵長、『東京喰種』のカネキ……。衣装は既製品を改造したものもあれば、コスプレ衣装店でオーダーしたものもあります。リヴァイは体のサイズに合わせて作ってもらったオーダー品だったんですけど、衣装が3万円、立体機動装置が5万円と高くついちゃって。それからは、安くてもいいクオリティを目指すようになりました(笑)。ずっとやってみたいのは『ジョジョ』ですね。特に好きな第5部のキャラクターなら、誰でも!

――作品やキャラクターへの思い入れが強いと、最近盛んな実写化には抵抗がありませんか? 

田中 はい、基本的に実写化は好きではないんですよね(笑)。「そこ省いちゃったんだ」とか「オスとメスになっちゃってる(恋愛要素が盛り込まれてしまっている)シーン多めじゃね?」とか言いたくなっちゃう。でも、文句を言うためにも一度はファンとしてちゃんと観ておくことにしています。それに、中には『20世紀少年』(小学館)みたいな愛ある実写化作品もあるし。『るろうに剣心』(集英社)も素晴らしかったし、『進撃の巨人』も好きでした。恋愛要素は多めだったもののリスペクトが感じられる映像化でしたよね。

――ご自身もよしながふみ原作『大奥』(白泉社)のドラマ版、映画版(共に12年)に玉栄役として出演されていましたよね。

田中 原作ファンの方を少しでもがっかりさせたくないっていう思いはありました。だから、原作と眉毛の太さを同じにしたり、13歳のシーンがあったので7キロ減量したり。

――作品愛が高じると同人誌を作るファンもいたりしますが……。

田中 好きですよ! 同人誌は一時期ハマッて、秋葉原のとらのあななんかで買い漁りました。ジャンルはジャンプものが中心。ジャニーズの同人誌ですか?(笑) ジャンルは違うけどひとつの文化だなと思って見ていましたね。

ブレずに長く愛される 目指すは音楽界の『こち亀』

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――好きなキャラクターで組んだバンドが見られるとしたら、どんなメンツにしますか?

田中 僕のやっているINKTと同じ編成なら、まずボーカルはスター性でルフィ。ギターは、『BOY』(集英社)の日々野晴矢かな。少しヤンチャな感じ。ベースは、ちょっとカゲがあるタイプがいいので、リヴァイ。キーボードは……誰ですかね、ジョリーン(空条徐倫)かな。女の子が入ると華やかですし、荒木飛呂彦先生のタッチって指がしなやかでキーボードを弾くのによさそうな感じですよね。ドラムは、ぜひ大好きなベジータ(ドラゴンボール)にお願いしたい! ドリームチームですね。

――最後に、INKTの今後の目標を作品でたとえてください。

田中 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)みたいなバンドになりたいですね。途中いろいろあったかもしれないけど、ずっと愛されてて、ブレずに同じスタイルで「週刊少年ジャンプ」という王道少年マンガ誌の真ん中あたりにいつも載ってる。それってすごいことですよね。『こち亀』が後ろのほうに載ってたら、「今、面白い連載が多いんだ」とかっていう計算もできる(笑)。もちろん音楽業界のトップに上り詰めたいという気持ちはありますよ。でも、焦りすぎず長く愛されるバンドを目指したい。バンドメンバーとは、『ONE PIECE』みたいな感じでいられたらいいなと思います。各々がいろんなところで強くなってきて、みんな集まるとものすごい海賊団……みたいな。たとえが偉大すぎるかもしれませんけどね!(笑)

(文/有馬ゆえ)

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田中聖(たなか・こうき)
1985年11月5日、千葉県柏市生まれ。98年に12歳でジャニーズ事務所に入所し、01年にKAT-TUN結成。13年にジャニーズ事務所を退所し、14年11月にバンドINKTのフロントマンとして1stアルバム『INKT』で始動。ボーカル、作詞を担当。15年4月にはミニアルバム『サイサリス』を発表し、7月にはフォトブック『田中聖 10845』(宝島社)も発表。12月5日にスタートした2ndライブハウスツアー「Re:birth of INKT TOUR 2015-2016」は、1月4日に東京・渋谷CLUB QUATTROで千秋楽を迎える。


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【1】『いぬやしき』
奥浩哉/講談社/14年
宇宙人の起こした事故で死亡し、強大な力を持つ機械の身体で蘇ったサラリーマンの犬屋敷壱郎と高校生の獅子神皓。人助けに生きがいを見出だす犬屋敷と、殺人に目覚めた獅子神の対照的な姿を描く。


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【2】『亜人』
桜井画門(原作:三浦追儺・1巻のみ)/講談社/13年
自らが不死身の人種「亜人」だと知られた高校生の永井圭が、国から逃亡し、亜人コミュニティで揉まれながら生き方を模索する。16年1月よりアニメシリーズが放送開始する。


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【3】『東京喰種トーキョーグール』
石田スイ/集英社/12年
人を喰らう正体不明の怪人“喰種(グール)”が跋扈する東京。喰種の臓器を移植されて半喰種として生きることとなった大学生・金木研の数奇な運命を描くダークファンタジー。アニメ化のほか、15年7月には舞台化も。


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【4】『カメレオン』
加瀬あつし/講談社/90年
全47巻、累計発行部数3000万部を超えるギャグ大作。高校でヤンキーデビューした主人公・矢沢栄作。チビで不細工、ケンカも弱い矢沢が、ツキとハッタリだけでピンチを乗り切り、不良のカリスマへと成り上がっていく。


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【5】『高校鉄拳伝タフ』
猿渡哲也/集英社/94年
灘神影流活殺術の継承者である高校生・宮沢熹一(当時首相だった宮沢喜一インスパイア)が、空手、柔道、プロレス、相撲、ムエタイ、柔術など、さまざまな格闘家たちと勝負を繰り広げる格闘マンガ。


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【6】『MAJOR』
満田拓也/小学館/95年
プロ野球選手の父を持つ主人公・茂野吾郎が5歳で野球を始め、プロ野球選手となった34歳までの野球人生を描く。15年、「週刊少年サンデー」にて吾郎の息子・大吾を主人公とした続編『MAJOR 2nd』の連載がスタート。


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【7】『赤ちゃんと僕』
羅川真里茂/白泉社/92年
母を交通事故で亡くした小学5年生の榎木拓也は、2歳の弟・実と父親との3人暮らし。家事に育児に奮闘する拓也が、甘えん坊でワガママな実との生活で成長していく姿を描くホームコメディ。


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【8】『NANA』
矢沢あい/集英社/00年
上京中の車中で出会った恋愛気質の小松奈々とミュージシャン志望の大崎ナナ。2人と2つのバンドのメンバーたちをめぐる恋愛群像劇。中島美嘉・宮崎あおい主演で映画化され大ヒット。現在、作者急病により休載中。


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【9】『ギャングキング』
柳内大樹/少年画報社/04年
世界一の彫師を目指す高校生“和彫りのジミー”の青春と成長を描く不良マンガ。既刊27巻。13年、担当編集者との意見のズレにより休載したが、今年5月には単行本の累計発行部数が1000万部を突破した。


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