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第1特集
日本近代史とヤクザ土地論

なぜアウトローは、九州、関西に集まるのか? 地理学から読み解く日本ヤクザ史

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――警視庁が発表する「暴力団情勢」には『指定暴力団一覧表』という項目がある。これを日本地図に落としてみると、あることに気づく。それは、日本国内における暴力団が九州、関西地方に集まっているのだ。では、なぜこの地方に暴力団が集まるのだろうか? 地理学から読み解いてみよう。

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ヤクザの全体像を浮き彫りにするノンフィクションの傑作『やくざと日本人』(ちくま文庫)

 構成員約3万人──。昨今の分裂騒動を見るまでもなく、ここまで山口組に注目が集まるのは、その巨大さと、日本全国に張り巡らされたネットワークゆえだろう。そして、日本には山口組だけではなく、さまざまなヤクザ組織が群雄割拠し、複雑な勢力図を構成している。そこに描かれているのは、表の社会からは一見うかがい知れないが、確実にその裏側に存在する、もうひとつの日本地図かもしれないのだ。

 ヤクザの源流を日本の地理から読み解くと、どのような風景が見えてくるだろうか。専門家のナビゲーションのもと、「ヤクザ地理学」の展開を試みてみたい。

 1933年生まれの猪野健治氏は、半世紀以上ヤクザを取材し、考察してきた第一人者ともいえる人物だ。多数の著書を持つが、特に73年に刊行された『やくざと日本人』(初版、三笠書房)は、ヤクザの存在を根源から探った名著として、今も読み継がれている(現在は、ちくま文庫)。

 ヤクザの歴史をさかのぼると、その源流はいくつかの形で捉えることができる。猪野氏は著書『山口組概論─最強組織はなぜ成立したのか』(ちくま新書)の序章で、ヤクザの起源について次のように解説している。

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