サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 【町山智浩】名門大学で起こる人種差別論争を笑い飛ばせ
連載
町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第84回

名門大学で起こる人種差別論争を笑い飛ばせ

+お気に入りに追加

『ディア・ホワイト・ピープル』

1412_machiyama_01.jpg

東部の名門ウィンチェスター大学は、「人種差別など存在しない」と主張する。しかし、ヒロイン・サマンサはそれに疑問を呈し、人種問題の論争を起こす。白人学生と黒人学生の対立は徐々に激化していくが……。各々にコンプレックスを抱く、個性豊かなキャラクターたちが、人種差別をめぐって繰り広げる青春コメディ。
監督:ジャスティン・シミアン/出演:タイラー・ジェームズほか/日本公開未定。


「親愛なる白人生徒たちへ」サマンサ・ホワイト(テッサ・トンプソン)は大学の学生ラジオで呼びかける。「黒人の友だちが1人いるくらいで『私は人種差別主義者じゃない』なんて言わないで。今は2人以上いないとね」

『ディア・ホワイト・ピープル』は、アフリカ系のジャスティン・シミアン監督の長編デビュー作。東部の名門ウィンチェスター大学(架空)の学生たちの人種問題を描くコメディ、というかサタイア(皮肉な劇)だ。

「もう人種差別なんてものはない」ウィンチェスター大学の総長(白人)は、副総長(黒人)に向かって断言する。「残ってるとしても、せいぜいメキシコ系差別だけだ」。

 最近も人種差別についての映画は作られてはいる。『それでも夜は明ける』は南部の奴隷制度を、『大統領の執事の涙』は 60年代の公民権運動を描いていた。しかし、ポスト・オバマ、つまりアフリカ系が大統領になった今、差別は本当になくなったのか? 特に、知的で裕福なエリートたちの間では?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2020年2月号

新しいニッポンのタブー

新しいニッポンのタブー

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。
    • 小悪魔【川瀬もえ】が脱ぐ

インタビュー

連載

    • 表紙/華村あすか「イオンで十分なんです」
    • 【桜田茉央】ミスマガ受賞者の箱入り娘
    • 【AV界】期待の新人セクシー下着
    • 【鈴木ふみ奈】タレントと企業のカンケイ
    • 【増田と鷲見】のラブゲーム
    • 【AI】がインターネットを根底から揺さぶる
    • 【五所純子】「ドラッグ・フェミニズム」
    • 【萱野稔人】"殴り合い"はなぜ人間的なのか
    • 機構影響を受けぬ【雪まつり】
    • 【丸屋九兵衛】キアヌ・リーブスを語る
    • 【町山智浩】「リチャード・ジュエル」FBIとマスコミの欺瞞
    • 【薬物事件】をめぐる刑罰と報道の問題点
    • 小原真史の「写真時評」
    • 笹 公人「念力事報」/ゴーンの大脱出
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/「アナと雪の女王」にモヤる理由
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 大手ビールメーカー出身者が【ブルーパブ】を開業
    • 更科修一郎/幽霊、闘争で情念を語る少年マンガ。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』