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危険地帯傑作ガイドブック【3】

【名越啓介】「ギャングに不法占拠生活者、近づくことでリアルになるアウトローの生態」

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名越啓介(カメラマン)
1977年、奈良県生まれ。世界中のストリートを色鮮やかに切り取った作品が好評を得て、06年にアジアのパンクスやストリートギャングなどを撮影した初の写真集『EXCUSE ME』(トキメキパブリッシング刊)を発刊。現在もさまざまな分野において活動中。

『Sing Your Own Story 山口冨士夫写真集』
発売/ロフトブックス 価格/5500円
13年8月に急逝した山口冨士夫を、公私にわたって収めた写真集。バンド「村八分」などで活躍した彼の晩年を、圧倒的なリアリティで写しだした一冊。
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【A】『CHICANO』
名越啓介/東京キララ社(2008年)/3500円+税
西海岸最強のギャングとして恐れられる、メキシコ系アメリカ人、チカーノ。日本でもラッパーやローライダー文化などで、彼らの名前を知る人も多いが、その実像はあまり知られていない。ギャングとして明日の命の保証さえない彼らと、共に生活し撮影し続けてきた渾身の写真集。

 う~ん……本ですよね。考えてみたんですが、僕の場合、現地で情報を掴んで撮影に入ることがほとんどなのであんまりガイドブックを持たないんですよね(笑)。やはり、現地で目撃したものに接近していくというのがスタイルになっています。

 ただ、写真集でその土地の雰囲気とか、普段は見えない光景を目にして衝撃を受けることが多いですね。すごく印象に残っているのは立木義浩さんの『マイ・アメリカ―立木義浩ノンフィクション』【1】。KKKとか男性ストリップに熱狂する女性とか、当時のアメリカの雰囲気や人々を網羅したような写真集で、迫力がすごい。あまり知られていないような、アメリカの素顔を垣間見ることができる。アメリカを題材にした他作品では、ギャング・バイカー集団を撮影した、長濱治さんの『地獄の天使』(勁文社/絶版)も傑作だと思います。

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