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【CYZO COLUMN CURATION】西田藍のアイドル的"制服"偏愛論【5】

【アイドル・西田藍】「貧しさを隠蔽する"制服"その下で少女たちは?」

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――ミスiD2013の文芸アイドルが業深き"制服愛"を語り倒す!

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中卒の私が演じる、90年代の「制服少女」。だけど、本物は私もよく知らないの……。

 中学生の頃、名木田恵子のヤングアダルト小説『air』(金の星社)を読んだ。名門女子校に通う14歳の絵亜が、閉塞的な日々から脱出を計る青春小説。物語の序盤、絵亜は、小学校の同級生と再会する。彼女は、制服を貸してくれないかと言う。しかし、返された制服にはタバコと汗の匂いが付いていた。

「名門女子校」の制服を着るだけで、身体の値段はぐんと上がる。荒れた様子の彼女は、援助交際で糊口をしのいでいたのだ。ああ、あの哀れなあの子はクリーニング代も出すこともできないのだろう……。絵亜は、黙ってその制服をクリーニングに出す。「生活苦の少女」ではなく「大切に育てられたお嬢様」だから、男たちは高い値段を出す。そこで私が思い出したのは、ブルセラブームだ。

 90年代初め、女子高生の制服や下着の古着売買が流行していた。業者もたくさんあった。性を刺激するアイテム・ブルマ&セーラー服で「ブルセラ」。名門校であればあるほど高い値段で取引される。そのまま売春に至る少女たちもいた。遊び半分、ただの小遣い稼ぎ、気軽な気持ち……そんな動機の「制服少女」を説教したり、逆に革命だって擁護したり、いろいろな大人がいたけれど、過熱する報道は、まるで少女たちを煽るようにも、買う大人たちの女子高生趣味を正当化しているようにも見えた。

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