サイゾーpremium  > 特集  > ジャニーズ  > 男版宝塚への足がかりは【ドラマ】から?出演作一挙レビュー
第1特集
演技者としてのEXILE一族【2】

男版宝塚への足がかりはここから始まる?EXILE一族ドラマ主要出演作を一挙レビュー!

+お気に入りに追加

――こちらの記事にもご登場いただいたドラマ評論家・成馬氏が、EXILEグループ出演作を5点満点で採点!

成馬零一(なりま・れいいち)
1976年生まれ。ドラマ評論家。著書に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生 テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

1408_dorama_09.jpg

■『半沢』と物語の構造は似てるかも
『シュガーレス』
放映/日本テレビ(12年10~12月)
出演/白濱亜嵐、鈴木伸之ほか
劇団からGENERATIONS、EXILE本体メンバーまで多数出演の、ヤンキーマンガ原作ドラマ。『クローズ』よろしく、学校の“テッペン”を目指す不良たちの抗争を描く王道作品。

[成馬評]……3.5点
同じ学園ケンカモノの『ろくでなしBLUES』に比べると、ケンカシーンがしっかりと描かれていて、様式美的なカッコ良さがある。脚本は、元・グレートチキンパワーズでEXILEと同じ事務所の渡辺啓と『半沢直樹』の八津弘幸だが、確かに『半沢直樹』と物語の構造は似ているかも。一年生の椎葉岳(白濱亜嵐)と三年生の荒巻至(SHOKICHI)の対決という世代交代の文脈を持ち込んでいるが、ファン以外には文脈が共有できていないのが惜しいところ。


1408_dorama_08.jpg

■半端な脱ぎっぷりに逆にモヤモヤ
『フレネミー ~どぶねずみの街~』
放映/日本テレビ(13年7~9月)
出演/SHOKICHI、NAOTOほか
悲惨な生い立ちから長じて夜の世界に飛び込んだ夏生(SHOKICHI)と、その幼馴染であり実は潜入捜査官として同じ店にやってきた渉(NAOTO)。時を経て、異なる立場で再会した2人の愛憎と暴力のドラマ。

[成馬評]……2.5点
一言でいうとエロと暴力が控えめのVシネマ。幼馴染が、夜の世界で生きるチンピラと潜入捜査官という立場で再会する物語はEXILEのメロウな世界観とマッチしていてPVを見ているよう。主演のSHOKICHIとNAOTOの芝居は、野球選手や格闘家がドラマに出演した時のようで、肩に力が入っていないのに妙にぎこちない。上半身だけ脱ぐシーンが多いので、2人の鍛え抜かれたボディが堪能できるが、それだけに本番がないAVを見ているようなモヤモヤが残る。



1408_dorama_07.jpg

■なぜヒゲ?リーゼントはどこへ?
『ろくでなしBLUES』
放映/日本テレビ(11年7~9月)
出演/青柳翔、大政絢ほか
2010年に劇団EXILEによって舞台化されていた『ろくでなBLUES』を、翌年ドラマ化。青柳翔のほかにも鈴木伸之やMATSUほかEXILE TRIBEのメンバーたちが多数出演。

[成馬評]……2点
同じ森田まさのり原作のドラマ『ROOKIES(ルーキーズ)』がヒットした後だったため、原作ファンの期待は盛り上がったのだが、主人公の前田太尊(青柳翔)がリーゼントではなくヒゲを生やして登場した時点で多くのファンは失望した。人物紹介でマンガの絵が挿入されたり、場面転換でマンガのページがパラパラとめくれるカットを入れたりと、マンガの映像化に対して意識的だが、それがマイナスに働いている。ケンカシーンはそこまで酷くはない。


1408_dorama_12.jpg

■リメイク版としてはさほど悪くない
『GTO』
放映/フジテレビ(12年7~9月、以降SP等)
出演/AKIRA、瀧本美織ほか
反町隆史主演・1998年放映の名作リメイク。好評とあって、その後スペシャルドラマが3回放映され、この7月から第二期がスタートした。

[成馬評]……3点
「週刊少年マガジン」で連載されていた、元ヤンキーの教師・鬼塚英吉が主人公の型破り学園マンガをドラマ化したもの。90年代後半に反町隆史主演で大ヒットしたドラマのリメイクで、反町に比べると、役者としてのAKIRAには華こそないが、気さくな兄ちゃんとしての親しみやすさが存在し、学生役の若手俳優たちの引き立て役としてハマっていて気楽に楽しめる。遊川和彦の脚色が際立った前作に比べると原作に忠実で、ヤンキーテイストも強い。


1408_dorama_11.jpg

■EXILEドラマ新境地へのカギを握る!
『町医者ジャンボ!!』
放映/日本テレビほか(13年7~9月)
出演/MAKIDAI、忽那汐里ほか
型破りな町医者を主人公とした、地域医療モノ(マンガ原作)。大規模病院との対立や地域住民からの反発などを解決しながら進んでゆく。MAKIDAIの地上波初主演作となった。

[成馬評]……2点
思わず声に出して言いたくなるキャッチーなタイトルと、MAKIDAIの棒読み演技が話題となった医療ドラマだが、お話としては普通すぎて引っ掛かりがほとんどない。そもそも何でEXILEが医者モノ? 長渕剛の『しゃぼん玉』の路線を狙ったの? とツッコミ出したらキリがないのだが、ほかのEXILE出演作品に比べて、ツッコミを入れたくなる愛嬌があることは確か。本作へのツッコミを作品にフィードバックできれば、EXILEドラマは新境地を迎えることができるはず。


■三谷幸喜『王様のレストラン』のEXILE版
『ムッシュ!』
放映/TBSほか(13年4~6月)
出演/KEIJI、町田啓太ほか
パリ帰りのさすらいの凄腕シェフが、その腕を見込まれて勤めることになったレストランで、料理によって人や関係者たちを魅了していく。これもメインキャストはEXILEで固める。

[成馬評]……2点
カリスマシェフだった先代オーナーが亡くなり、借金だらけになったレストランに、オーナーの弟子だった天才シェフがやってきて、店を立て直すという一幕モノのドラマ。言うなれば三谷幸喜・脚本の『王様のレストラン』のEXILE版だが、細部の魅力は雲泥の差だ。しかし、登場する料理のレシピが公開され、期間限定で作中のレストランが営業されたりといった視聴者参加の要素が強い本作に、ドラマ単体の評価を言っても仕方ないのかも。



 ジャニーズ・アイドルとイケメン俳優が市場を独占する中で、学園ドラマにEXILEが進出するのは難しい。しかし、20代以降向けとなると状況は大きく変わってくる。現在のテレビドラマにおいて、最も層が薄いのは30代後半以降の普通の男性を演じられる男優だ。そんな男性俳優不足の隙間にうまくはまったのがEXILEの俳優だ。特にMATSUは『ご縁ハンター』(NHK)でのモテない男の演技が高く評価されており、今後が注目だ。

 一方、LDHが制作に関わっている『シュガーレス』等の深夜ドラマは、作品単体としての完成度は低い。しかし、彼らを鑑賞するための作品と見るなら、評価は変わってくる。現在の深夜ドラマは、各事務所のタレントたちのショーケースとして機能している。おそらく、いずれケーブルテレビや動画サイトで各事務所が自社コンテンツを持つことも念頭にあるのだろう。そのような会員制ビジネスが実現すれば、ダンススクール経営同様、劇団EXILE自体が誰でも参加できるドラマ制作チームとなり、出る側も観る側もEXILE(予備軍)という構造になってくる。ファンだけを相手にするのなら、不特定多数の視聴者に向けた既存のドラマと同じである必要はない。目指すは男版宝塚だ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年6・7月号

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論
    • 音楽業界からの【賛辞と批判】
    • 【芸能プロ】的戦略が抱える2つの“矛盾”
    • 令和の【ジャニーズ・シングル】20選
    • 20年代のジャニーズ【ミュージックビデオ】

移ろいゆくウクライナ避難者

移ろいゆくウクライナ避難者
    • 移ろいゆく【ウクライナ】避難者

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

サイゾーパブリシティ