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第2特集
宝塚歌劇団【裏】100年史【4】

「宝塚があったからこそ、今の自分がある!」【元花組男役・CHIHARU】が語る現職の魅力と宝塚の今

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――現在、大阪・梅田駅周辺などを中心に、街中で見かける「宝塚100周年」のポスター。そのスターたちのヘアメイクを担当しているのが、元花組男役・CHIHARUだ。現役時代は矢吹翔の名前で活躍し、同期は元月組トップスターの紫吹淳。多くのOGたちが芸能界に進み、表舞台に出続ける中、あえて裏方に回った彼女が語る宝塚への思いとは?

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(写真/後藤秀二)

──宝塚退団後も女優の道に進むOGが多い中、CHIHARUさんは、なぜヘア&メイクアップアーティスト(以下、ヘアメイク)の道に進まれたのでしょうか?

CHIHARU(以下、C) 小さい頃からメイクが好きで、母の口紅とかを塗って遊んでいるような子どもだったんです。宝塚に入団してからも、舞台メイクはみんな自分でやるんですね。そこで、「この役ならメイクはこうしてみよう」って、役作りとしてのメイクを意識していくようになりました。それがどんどん楽しくなって、メイクのすごさ、偉大さに魅せられて……宝塚には19年いましたが、実は在団10年目くらいから、退団後はヘアメイクになろうと決めていたんです。在団中から通信教育でヘアメイクの勉強をして、資格も取りました。

──舞台に立ちながら勉強もされてたんですか! 両立は大変だったのでは?

C でも、ちょうどその10年目の頃に、雪組から花組に組替えがあったんですけど、宝塚での活動が中途半端になるのは嫌だったので、「自分の名前が残るまではやろう」と決めたんですよ。それから、辞める時期を意識し始めた17年目の頃、ちょうど花組のトップスターが変わりまして。後輩とも仲が良かったので、「この組が安定するまでは、自分が支えよう」と思って続けていました。そしたら今度は、「劇団の管理職を務めてもらえないか?」と打診をいただいて……迷いましたが、「ここでその打診を受ければ、後10年は辞められない」という思いから、「実はヘアメイクになる夢があるので、辞めさせてください」と、劇団にお願いしたんです。

──退団後はすぐに、ヘアメイクの道に?

C そうです。ただ、ヘアメイクの仕事と並行して、1年間はファッションブランド「ヘンリーコットンズ ドンナ」のモデルも務めていました。そこで、大御所ヘア&メイクアップアーティストの方たちにヘアメイクをしていただくことができたので、同時に、勉強をさせていただけたと思っています。

──その後はどのようにお仕事を?

C ありがたいことに、現在はタレントさんをはじめ、多くの方のヘアメイクを担当させていただいていますし、『CHIHARU式美顔造形メイク』(幻冬舎)も出版することができました。退団直後から『東宝版 エリザベート』などのポスターや、現在は宝塚100周年のポスターのヘアメイクも、私が担当させていただいています。退団してからも自分が宝塚のお役に立てるなんて……本当に、感無量です!

──女優には、未練はないのでしょうか?

C 全然! 女優として表に出るのは宝塚の男役時代だけで十分です。もちろん、宝塚に入団した時には、「自分は宝塚に入るために生まれてきた」と感じていましたが、ヘアメイクになってからは、「ここまでの道筋が、全部用意されていたんだなぁ」と思うようになりましたから。

──宝塚で舞台を踏んでいた経験があったからこそ、今があるということですね。

C もちろんです! 宝塚では、ずっと男役として生きてきて、女性としての楽しみをあまり経験してこなかったんです。それで、辞めてすぐにピアスを開けて、マニキュアを塗って。そういうことが、楽しくてしょうがなかった。だから、雑誌で読者のヘアメイクをする時には、いつも怒るんですよ。「惰性と段取りだけでメイクして、なんでもっと楽しまないの!?」って(笑)。

──そんなCHIHARUさんから見て、現在の宝塚は、いかがでしょうか?

C 私たちがいた頃よりも、キッチリしていると思います。挨拶にしても、演技にしても、みんなちゃんとしていますし。いい子が多くて、力の差もないように見えます。その分、見ているほうとしては、面白くないという一面もありますね。いい意味でハメを外して、もっと突き抜ける子が出てきてもいいと思います。

 もっと楽しんで、演技に“遊び”を持って、個性を出していったほうがいい。その余裕が無いなら、もっと稽古をしなさい! ってことですね。

 私は、個性=“好きなこと”だと思うんです。歌が好きなら歌を、ダンスが好きならダンスを、芝居が好きなら芝居を、もっともっと突き詰めてほしいと思っています。

(構成/高橋ダイスケ)

CHIHARU(ちはる)
愛知県生まれ。1986年、72期生として宝塚歌劇団に入団。雪組から花組への組替えも経験しながら、19年間、演技派の男役として活躍した。04年に退団した後、ヘア&メイクアップアーティストとして活動し、宝塚のポスターや写真集のほか、現在はタレントや女優のヘアメイクも多数手がけている。2月には自身のメイク本『CHIHARU式美顔造形メイク』(幻冬舎)を上梓した。

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