サイゾーpremium  > 連載  > 小原真史の「写真時評 ~モンタージュ 過去×現在~」  >  写真時評~モンタージュ 現在×過去~【22】
連載
写真時評~モンタージュ 現在×過去~

人間の展示(上)

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[右上] 「フォルモサ(台湾)村」(日英博覧会/1910年)
[左上] 「アイヌの家への入り口」(日英博覧会/1910年)
[右下] 「芸術館」(日英博覧会/1910年)
[左下] 「アイヌの家」(日英博覧会/1910年)

 内閣府が昨年末に発表したアイヌ政策に関する初めての世論調査によると、アイヌに対して現在は差別や偏見がなく平等だと思うかを聞いたところ、3人に1人が「平等ではない」と答えたという。北海道旧土人保護法が廃止されたのは公布から100年近くを経た1997年になってからであるが、この間アイヌは過酷な差別と同化の道を歩んできたといえる。本連載では、蝦夷地/アイヌモシリ(人間の住む大地)に「北海道」という呼称が与えられた頃に開催された博覧会をいくつかたどっていきたい。

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[右上] 「アイヌの家」(日英博覧会/1910年)
[左上] 「アイヌの家」(日英博覧会/1910年)
[右下] 「熊祭、アイヌの家」(日英博覧会/1910年)
[左下] 「アイヌの家」(日英博覧会/1910年)

 1902年に日英同盟を締結した日英両国は、友好関係を祝うために1910年に日英博覧会を共催した。東洋宮と呼ばれる展示区画では、日本の統治下に置かれたばかりの台湾や朝鮮、満州などの物品の展示が行われた。それとは別に作られた余興区画では、ジャポニズムを前景化した日本村が作られたほか、アイヌや台湾先住民の生活が再現され、展示された。展示といってもジオラマではなく、実際に日本からチセ(アイヌの伝統的住居)が移築され、その中でアイヌの人々に生活させるという「人間の展示」であった。余興区画に力士や職人たちが参加していることや、チセに過剰な装飾が加えられていることからも知れるように、極めてエンターテインメント性の強い見世物的な展示であったことが想像できる。

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