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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【6】

白銀の国が生んだ異才が米ラップ界を揺るがす!

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人類のナゾは音楽で見えてくる! ブラックミュージック専門サイト「bmr」編集長・丸屋九兵衛が“地・血・痴”でこの世を解きほぐす。

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『Nothing Was the Same』/Drake(発売元:ユニバーサルミュージック)
歌とラップをシームレスに行き交うドレイクの魅力が存分に発揮された最新作。ヒット中の"Hold On, We’re Going Home"は、結婚式ソングと帰還兵歓迎ソングの両面で定番化を狙う欲張りな歌詞だが、クインシー・ジョーンズ制作時代のマイケル・ジャクソンの曲をモチーフにした80年代初頭サウンドが中年リスナーの耳に心地よい。

 カナダ人はアホだ。ヤツら、外出時に銃を携帯しないんだぜ。アルファベットを「エーからゼッドまで」と覚えてるし、気温を摂氏で言いやがる。ヘラジカの肉を食べながらホッケー見てる連中だ。

 確かに、カナダは保険制度完備、空気はきれい、犯罪率も低い。でもヤツらは礼儀正しすぎて、逆に怪しい。そういうヤツらこそ侵略を企ててるのでは? 地図だと、俺たちの頭上にいるし。こうなったら先制攻撃だ!

 以上、米音楽界が誇るパロディ音楽の大家、ウィアードアル・ヤンコヴィックが06年に発表した『Canadian Idiot』の歌詞要約だ。低能米国人がカナダに対して抱くイメージを羅列したリリックが目指すのは、あくまで自国アメリカへの自嘲と揶揄。だが同時に、アメリカ大衆が「北の隣人」カナダに抱く、微妙な違和感がキッチリ表現されている。オチの「先制攻撃」はともかく。

 日本にとっての韓国や、イングランド(あるいはUK)にとってのアイルランドは、その歴史的経緯と相まって、もっとダイレクトな各種感情の対象だ。それは時に罪悪感であり、時に敵意と憎悪であり、時には混じりっけなしの好意だったりもする。

 では、アメリカ合衆国にとってのカナダは?

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