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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【7】

虎と獅子の戦場を逃れてゲリラの娘は英国で開花

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人類のナゾは音楽で見えてくる! ブラックミュージック専門サイト「bmr」編集長・丸屋九兵衛が“地・血・痴”でこの世を解きほぐす。

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『MATANGI』/M.I.A.

(発売元:ユニバーサルミュージック)
右記のデビュー作『Arular』、母の名を冠した07年の『Kala』、自身の愛称を用いた10年の『MAYA』に続く4作目。タイトルは自らの本名だが、ヒンドゥー教の女神の名でもある。それもあって、輪廻転生やカーマ(業)といったヒンドゥー思想が反映されたリリックが印象的。彼女の最大のヒットのひとつ、“Bad Girls”が収録されている。

 ネコ科の大型動物の分布から始めよう。

『ジャングル大帝』にしろ、(自分の権利にはうるさいが他人の権利には無頓着なディズニーによる)『ライオン・キング』にしろ、ライオンといえばアフリカというイメージが強い。だが実際にはインドにも生息しているわけで、ゆえに、インド起源の文化なり民族なりが伝播した地域には、ライオンをモチーフとした文物が見受けられる。その地に野生のライオンがおらずとも。

 たとえば、インドから伝わった仏教が「世界で最も熱心に信仰される」と言われるタイには、ライオン印のビール「シンハー」がある。また、インド系住民も多いシンガポールの象徴はマーライオンだ。そのシンハーとシンガポールに「シン」が共通しているのは偶然ではない。シンとは、北インド系言語でライオンを表す単語だから(シンガポール=「ライオンの都」の意味)。

 ネコ科のもう一方の雄、トラはライオンに比べて生息範囲が広く、北は高緯度のシベリアから南は赤道直下のスマトラまで。そして、中国にも、インドにもいる。

 つまり、ネコ科が誇る大型二強、ライオンとトラが共に生息しているのはインドだ。こう聞くと、つい「頂上対決」を夢想するが、実際には棲み分けているため、この二種が野生環境下で対決することはないという。

 だが、「ライオン」と「トラ」を名乗る集団が激突した例ならある。場所は、どちらの動物も実際には生息していない島国、インドの南に位置するスリランカだ。

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