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第1特集
【premium限定ロングVer.】元・SKE48が見る『あまちゃん』のリアルさ

【元SKE48・山下もえ】が『あまちゃん』を分析!『秋元先生のパロディが面白い』

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──NHKの訓覇圭プロデューサーが「特定のアイドルグループは想像していない」と、『あまちゃん』で描かれる「GMT47」と「AKB48」の関係性を否定したものの、やはり、その設定は類似し過ぎているように思える。ならば、当事者が見たらどう感じるのか?元SKE48一期生の山下もえちゃんに分析してもらった。

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(写真/高島裕介)

「“個人的な”目線ですが、『あ、これはAKB48をモデルにしているのかな?』と思うところもあって……」

 自身が月曜のレギュラーアシスタントを務めるラジオ番組「ミュ~コミ+プラス」(ニッポン放送)の7月15日放送回にて、SKE48のエース・松井玲奈が『あまちゃん』(NHK)について語った。その中で彼女は、

「落ち込んでいる時でも、笑っている時でも、一瞬でも光っていない時がないくらい(あまちゃんの)目がキラキラしていて。(中略)AKBの大島優子さんも同じ目をしているんです」
「(モデルにしているのかなと)一番感じたのは、国民投票」
「“奈落”って、AKBで言うと研究生」
「太巻(荒巻太一)さんが秋元先生にしか見えない」

と、『あまちゃん』の中で描かれるアイドルの現場風景が、AKBグループのそれに似ていると話している。

「東京編」を中心に、主人公・天野アキがアイドルとして活動するという設定において、アキが所属する「GMT47」、ファン投票でメンバーのランク付けをする「国民投票」、姉妹グループ(上野アメ横女学院)の正規メンバーの代役を務める「シャドー」など、そのモデルが“明らかに”AKBであることは、当事者でも認めるところなのだ。

 しかし、ファンの間では「『あまちゃん』で今日も秋元康批判をやってる」と揶揄されるほどの、秋元康をはじめとした制作サイドの描かれ方については、当人たちはどう捉えているのだろうか――?

 先述のラジオでも、メインパーソナリティである吉田尚紀アナの「AKB関係者はあれをどう見ているのか?」という質問には、松井は「どうなんですかね(笑)」と答えるに留まっていた。

 そこで、彼女と同じSKEの一期生としてデビューし、2009年に卒業、現在は地元名古屋を拠点に活動するアイドルグループ、「CAMOUFLAGE(カモフラージュ)」に所属する山下もえちゃんに、SKE時代の様子を振り返りながら、『あまちゃん』の“リアルさ”について聞いてみることにした。

  *    *    * 

――早速ですが、『あまちゃん』は毎日ご覧になっていますか?

山下もえ(以下、山下) いえ、実は私はたまに観るくらいで。お母さんが毎回録画をしているほど『あまちゃん』の大ファンなので、それに便乗して時々観ています。

――率直な感想はいかがです?

山下 主人公の天野アキ(能年玲奈)ちゃんが、めちゃくちゃかわいいなと思いました! それと……秋元先生のパロディが、すごく面白いなと(笑)。

――やはり、山下さんから見ても、古田新太さん演じる荒巻太一は、秋元先生をモデルにしていると思ったんですね。

山下 最初はそうとは知らずに観ていたんですが、腕を組む仕草がそのものですよね。「さすがにこれはギリギリだろ!」って。

――あの仕草は、一目瞭然ですよね。ただ、放映をしているNHKサイドは、AKBとの関係性について否定しているんですよ。

山下 そうなんですか? でも、アキちゃんが所属していた「GMT47」というグループの名前からして、明らかなパロディですよね。

――おっしゃる通りだと思います(笑)。全国のご当地アイドルを集めて、劇場公演をやりながら国民的アイドルを育てるというプロジェクトのコンセプトからして、AKBグループを連想せずにはいられませんよね。観ていて、「ああ、こんなことあったな」と共感する部分はありませんでしたか?

山下 マネージャーの水口琢磨(松田龍平)がメンバーに厳しいことを言っているシーンでは、昔を思い出しました。アイドルグループとしての厳しさは、共通しているんだなと。私が今いるグループでは、メンバー8人全員で活動ができていますが、SKEの頃は「選抜」という言葉に過剰に反応していた時期もありました。今年卒業した桑原みずきと一緒にいる時に、「選抜高校野球」という言葉を聞いて、「はっ! 選抜!」って反応してしまったことがあるくらいです(苦笑)。それほどシビアだった時代の自分と、アキちゃんを重ねて見てしまうんですよ。だからいつも、「頑張れ!」って思いますね。

――実際に、SKE在籍時に言われた厳しいことで、印象に残っていることはありますか?

山下 厳しいことはたくさん言われたんですけど、特に印象に残っているのは、オーディションの時のことです。SKEの一期生オーディションに受かったのは、22人。私はあまりAKBのことを知らずに受けたので、「正規メンバーになれるのは、その中の16人だけ」ということを合格発表の後に初めて聞いて。受かったと思ったのに、ここからさらに選ばれる人と選ばれない人がいる、というのは怖かったです。

――オーディションといえば、『あまちゃん』の主人公・アキも映画『潮騒のメモリー』の主演を獲得すべく、劇中で挑戦していましたよね。

山下 アキちゃんが、太巻の思惑によってそのオーディションに落とされそうになった時、女優の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が、「この子を入れてよ」と直談判するシーンがあって。やっぱり、誰かのゴリ推しがあったり、ひとりでもその場にいるスタッフさんが気に入ってくれたら受かるんだなっていう……“裏側”が見えたのは興味深かったです。SKEでも、「支配人さんが適当に選んだ子が、メンバーになった」というようなオーディションの裏話をスタッフさんから聞いたことがあるんです。受けていた当時は、ダンスも歌も、相当厳密に審査をされているんだろうと思っていたのに、案外そんなことはないんですよね。

国民投票に奈落……類似する設定と実情

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確かに、優子ちゃんは誰よりも目がキラキラしてます!(写真/後藤秀二)

――『あまちゃん』ではほかにも、AKBグループにおける一大イベントのひとつ、「選抜総選挙」をモデルにしたかのような「国民投票」も行われました。山下さんも、第1回選挙には参加されていますよね?

山下 はい。当時はまだ、(発表された30位までの)ランキングにSKEのメンバーが入れるだけですごい、とされていた頃だったので、「まあ、自分は入らないだろう」と客観的に見ていたんですけどね。(松井)珠理奈ですら、「言い訳Maybe」の選抜にギリギリ入れる、19位でしたから。

――『あまちゃん』の国民投票では、脱退者などによる繰り上げもあり、アキは解雇されるか否かのボーダーラインだった40位にギリギリ食い込みます。

山下 あれは、リアルでした。ボーダーラインと言えば、私は当時からみぃ(桑原みずき)と仲が良くて、私が卒業した後の第2回選抜総選挙の開票後に、彼女から電話がかかってきたんです。「みぃ、絶対31位だったき!」って。あの頃、卒業したメンバーのファンの方が、そのメンバーと仲の良かったメンバーを応援してくれる、という風潮があったので、私のファンの方が投票してくれたから次点は自分だったっていうんですよ。ポジティブですよね(笑)。

――桑原さんらしくていいですね。『あまちゃん』の国民投票では、合格点となる40位までに入れなければ解雇、入っても、31~40位は「奈落」と呼ばれる“控えメンバー”として活動をすることになります。いわば、AKBでいう「研究生」だと思うのですが、SKEの1期生は、同期の中でチームSに昇格した正規メンバーと研究生とにわかれてしまいましたよね? 

山下 私がいた頃は、まだ正規メンバーと研究生の差がほとんどなかったんです。AKB劇場に公演に行く時も、「せっかくだから1期生全員で立ちたい!」と、最初の3曲はみんなで歌ったりとか……平和な時代にいました。あの頃は、今のような格差はなかったな。

「疑問はなかった」口パク問題と売り方

――そんな「国民投票」をはじめとしたパロディ的要素とは対象的に、『あまちゃん』には口パクへの問題提起かと思わせるような内容が盛り込まれ、AKBファンの人たちから「秋元康批判」とも言われました。小泉今日子さん演じる主人公の母親・春子は、若い頃、トップアイドルだった鈴鹿の歌の影武者だった。つまり、鈴鹿は口パクで歌い、流れている声は春子の声だったという設定です。そして、そんな春子が、アキがレコーディングに参加したGMTの曲を聴き、声色を勝手に変えられていることに激怒して、「普通にやって普通に売れるもん作んなさいよ」と太巻に言い放ったことから、奇をてらった曲にしたり、口パクで歌ったりしているAKBへの批判ではないか、と話題になったものです。当事者としては、変わった曲を歌ったり、口パクで公演をすることについて、どうとらえていましたか?

山下 そもそも、口パクだからどう、という感覚はなかったですね。最初から、その1択しか与えられていませんでしたから。私は特にダンスが好きで入ったので、「ダンスに力を入れよう」という指示にも疑問を持ちませんでした。それに、「イノセンス」という、生歌で公演をしていた曲もあります。このユニットにはゆいみん(松下唯)をはじめ、歌に力を入れたいメンバーが選ばれていたので、それぞれの資質に合わせて、考えてもらっていたんじゃないかな、と。何より、当時はSKEとして売れることが最優先でしたしね。

――現在所属されているCAMOUFLAGEは、GMTに近かったSKEでの活動に比べて、アキが上京する前に行っていたローカルアイドル・潮騒のメモリーズの活動に近いように思います。

山下 確かに。SKEは、やっぱりAKBさんあってのSKEだったんです。だから、SKEという名前だけで人も集まってくれたし、不自由をしたことがなかった。決められたスケジュールで、その時間に集合して、車で送迎してもらって、仕事をきっちりやって……機械的に進んでいる毎日でした。それはそれで、いい面もたくさんありましたが、今は小さい規模になった分、自分の意思やファンの方々の意見もスタッフさんに伝えて、一緒に作れるという面白さがありますね。やりがいという意味では、今のほうがあるかもしれません。

――より、個人が前に出られる環境、ということですよね。

山下 今、アイドルブームと言われますが、ブーム自体はモーニング娘。さんから続いていると思うので、長いんですよね。ただ、AKBさんですら、あんなに人数がいても、そのうちの数人しかひとりで活動することはできない。本当に重要なのは、グループを卒業した後、「個人」として活動できるかどうかじゃないですか。今、8人という少人数で、全員が個人として前に出られるグループになったら、アイドルブームが終わった後でも、活動できるのかな、と思うんです。やっぱり“個”の売り方が、大事なんじゃないかなと。

――春子の「毎年さ、かわいい子を30人か40人か集めて才能ないのに舞台に上げてさ。その中から10年後何人残ってると思う? せいぜい1人か2人だよ。だったら最初からひとりでやったほうがいいじゃないのよ」というセリフを思い出しますね。どうか、山下さんもアキのように個で売れるよう、頑張ってくださいね! 今日はありがとうございました。

(文/編集部)

山下もえ(やました・もえ)
1992年、愛知県生まれ。08年に行われたSKE48の一期生オーディションを勝ち抜き、チームSとしてデビュー。翌年の09年12月25日にZepp Nagoyaで行われた単独ライブ「名古屋一揆」を最後に、卒業した。12年3月より芸能活動を再開し、現在は、日テレジェニック候補生の高崎聖子をはじめとした8人組のアイドルユニット「CAMOUFLAGE」のメンバーとして活動中。10月23日に3枚目のシングルをリリースし、同27日には名古屋のダイアモンドホールでワンマンライブが開催される。

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