サイゾーpremium  > 特集2  > イベント飽和で旨味のない【声優音楽ビジネス】
第2特集
声優業界の功罪【4】

もはや音楽系イベントに旨味なし!? 声優音楽ビジネスの実情

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──アニメだけでなく、音楽分野においても注目を集めている声優たち。音楽不況のさなかで躍進を遂げている彼・彼女たちだが、業界関係者はこのブームを冷ややかに見ていた……。

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T.M.Revolution×水樹奈々『Preserved Roses』

 現在の声優ブームを最も象徴しているのが、音楽分野での躍進だ。概論でも触れた通り、 音楽不況が叫ばれる現在、水樹奈々をはじめとした一部の声優たちがオリコンチャートをにぎわせている。声優たちの音楽を手がけているレーベル各社は、さぞオイシイ思いをしているように思えるのだが……。声優と音楽ビジネスについて、アニメ系音楽レーベル関係者の話を元に、その実情を見ていこう。

 まず、声優が音楽を担当する主な舞台としては、もちろんアニメが挙げられる。アニメの主題歌の制作、発売には、音楽化権が存在し、この音楽化権を所有している音楽レーベルが、主題歌を歌うアーティストの選定から宣伝や発売までを手がけている。

「音楽化権については、作品のプロデューサー判断で、製作委員会に入っていない他社の音楽レーベルに買ってもらうこともあります。これは作品に対する出資率を減らし、作品がコケた時のリスクヘッジです」(アニメ系音楽レーベル関係者)

 アニメとのタイアップは、アニメ自体が音楽CDの宣伝となるため、「レーベルにとって重要な意味を持っている」と、関係者は語る。特にアニメに出演する声優を歌い手に起用すれば、ファンへの訴求力は高く、一定の売上も見込める。当然、レーベルとしては人気の声優と専属契約を交わしたいところだが……。

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