サイゾーpremium  > 特集  > 本・マンガ  > 【姫井由美子】が主張「日本社会は男性に甘すぎる」
第1特集
政治家の愛憎スキャンダル 告発する側・される側の主張【2】

姫井由美子の主張「女性政治家は、恋愛スキャンダルで騒がれたら最後。日本社会は男性に甘すぎる」

+お気に入りに追加
1209_az_himei.jpg
『姫の告白』(双葉社)

――2007年に出版した先生の初著『姫の告白』【5】は、そのタイミングとタイトルが相まって大きな反響を呼びました。

姫井 確かに、タイトルや「緊急出版!」などと書かれた帯はセンセーショナルだったと思います。でも、内容はご覧になっていただければわかる通り、参議院選挙に出馬することになった経緯から、当選を果たすまでの軌跡を中心に綴ったもので、決して何かについて暴露したり反論したりしているわけではないんですよ。

――不倫騒動についても、「今回噂になった方に出会い惹かれたことは、後悔していません……」(本文ママ)と書かれるに留まっていましたもんね。

姫井 そもそも、「週刊文春」(文藝春秋)で不倫スキャンダルが報じられた直後の出版だったため、帯の通り“緊急出版”と思われがちですが、実はそれ以前から自叙伝として書き進めていたものなんです。そんな時にあのようなまったく身に覚えのない醜聞が報じられて、出版社の方には「事実でないことを本の中できちんと説明しましょう」ともご提案いただいたんですが、私と不倫関係にあり、さらに飲食店開業に当たって騙されたと主張されている方に裁判を起こされた場合、こちらが先だって話してしまうと不利に働くかもしれないと考え、あまり言及しないことにしたんです。ただ、出版社の「販売促進のためにセンセーショナルなタイトルにしたい」という意向があり、私自身も「それで手に取って読んでくださる方が少しでも増えて、私について知っていただけるなら」と思い、『姫の告白』と銘打ったわけなんですが……正直、その認識は甘かったですね(笑)。中を読まずにタイトルの印象だけで「こんな本出して」と思われた方々が、地元・岡山県の支援者の中にも結構いらっしゃって、かなりのお叱りを受けました。

――読者も、騒動について書かれていると思って購入した人は多かったかもしれませんね。

姫井 実際、読んでくださった方からも「肝心なことを書いていないじゃないか」といった反応は、一部ですがありましたね。そうしたことを踏まえると、つくづく「本って難しいな」と感じます。内容がセンセーショナルでないなら、タイトルもそれに応じて無難につけるのがいいんでしょうが、それだと手に取っていただけない。だからといって私のようにタイトルだけセンセーショナルにすると、“暴露本もどき”のように思われてしまう。金沢京子さんの『橋龍が愛した女』もそうですよね。“愛した”と題されているからには、それだけお2人の間には長い歴史が積み重ねられてきたのだろうと思いきや、実際に読んでみると「これだけ!?」と思わざるを得ませんから。

――『姫の告白』が出版され、それに対抗するかのように「文春」に告発した横田育弓生が『毒姫』を出されましたが、お読みになりましたか? 写真も満載でしたね。

姫井 私と不倫関係にあったと主張されている方とは、飲食店経営の契約をめぐる問題で係争中で、もう5年目になります。本については、法廷で争点とされたために一応読みましたが、肯定できるところがひとつもない上に、まず読みづらくて……。とはいえ、これでも編集者かライターの方が手直しされているのだとは思います。毎回、裁判前に届く準備書面はもっと支離滅裂ですから(笑)。しかもその書面と一緒に、私がテレビ出演した時のビデオテープやら、雑誌でインタビューを受けた時のコピーやら、まったく関係ない物まで送られてくるんですよ。処分するわけにもいかず、現時点で段ボール4箱分くらいに蓄積されています。

 謂れのない女性スキャンダルによって横浜市長の座を追われた中田宏さんも、『政治家の殺し方』【6】という著書の中で書かれていましたが、例えでっち上げのスキャンダルでも、一度報じられてしまうと、それだけで世間からの扱いは英雄から悪者に一転します。ただ、正味な話、男性政治家には「女性スキャンダルなんて特に珍しいものではない」といった社会的イメージがありますから、すぐに認めて謝罪してほとぼりが冷めるまで待てば、再起を図れますよね。04年に不倫騒動が巻き起こった菅直人さんだって、頭を丸めて四国八十八カ所巡りをした後、内閣総理大臣に就任されたわけですし。でも、女性政治家の場合は、異性とのスキャンダルを騒がれたら最後。世間はおいそれと許してはくれません。それに国会に大勢いる男性政治家のみなさんも、同性の女性問題には寛容的だけど、女性政治家のスキャンダルには極めて厳しい。不倫スキャンダルで騒がれていた当時、私がレポーターに追いかけ回されているとわかっていたはずなのに、共に行動していた男性議員の方はガードしてくれるどころか、私よりも先に走って車に乗り込もうとしていて、その遠ざかっていく背中を見ながらそのことを実感しました(苦笑)。そういった意味では、日本の社会にはまだまだ“男性に甘い”といった側面があると思います。

姫井由美子(ひめい・ゆみこ)
1959年、岡山県生まれ。07年の参議院議員通常選挙で初当選を果たす。選挙運動の際のキャッチフレーズ「姫の虎退治」で、話題を呼んだ。現在は民主党を離党し、小沢代表の「国民の生活が第一」に合流している。近著に、『コンビニ改造論』(花伝社)。

1209_himeno.jpg

【5】『姫の告白』
姫井由美子/双葉社(07年)/1260円
参議院選挙に立候補するまでの経緯から、07年の「姫の虎退治」、家族や生い立ち、不倫スキャンダルについて書かれた本。本書の帯に書かれていることはおよそ「大げさなもの」とのこと。


1209_seijikano.jpg

【6】『政治家の殺し方』
中田 宏/幻冬舎(11年)/1000円
女性スキャンダルによって「ハレンチ市長」と命名され、政治家の窮地に立たされた著者。本書第1章の見出し「『次世代のホープ』、ひと晩で『ハレンチ市長』になる」を見た姫井議員は、「この気持ち、よくわかります」と共感。


ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年6・7月号

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論

目指すはK-POP? ジャニーズ進化論
    • 音楽業界からの【賛辞と批判】
    • 【芸能プロ】的戦略が抱える2つの“矛盾”
    • 令和の【ジャニーズ・シングル】20選
    • 20年代のジャニーズ【ミュージックビデオ】

移ろいゆくウクライナ避難者

移ろいゆくウクライナ避難者
    • 移ろいゆく【ウクライナ】避難者

NEWS SOURCE

インタビュー

サイゾーパブリシティ