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第1特集
政治家の愛憎スキャンダル 告発する側・される側の主張【1】

『橋龍が愛した女』の著者・金沢京子が学んだ「男性政治家という生き物」

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──小沢一郎、橋下徹と、また政治家の不倫スキャンダルが騒がしい。そこで、政治家の愛憎スキャンダルといえば! ということで、久しぶりに姫井由美子参議院議員と、現在は作家の金沢京子氏を直撃! 国会議事堂をバックに、哀愁漂う金沢さんの表情からも伝わってくる告発する側の思いと、まだまだ裁判が終わっていない、告発された側・姫井議員の思いとは?

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(写真/江森康之)

 今年6月、「国民の生活が第一」代表・小沢一郎氏の元夫人、和子さんが支援者に宛てた手紙を「週刊文春」(文藝春秋/6月21日号)が掲載し、話題を呼んだ。その手紙は「離縁状」と題され、小沢氏の長年にわたる不倫と隠し子についても触れられていた。しかし、小沢氏の進退に不倫スキャンダルはなんら影響を与えていない。その証拠に、報道から半月後の7月11日には、新党「国民の生活が第一」を旗揚げし、代表に就任したのだ。

 また、7月26日号の「週刊文春」にて、橋下徹大阪市長の過去の不倫も報じられている。同号発売日の前日、市長自ら大旨を認め、こちらもその後これといったおとがめはない。

 一方で、06年に細野豪志議員との不倫騒動によって『NEWS23』(TBS)のキャスターを即座に降板させられた山本モナ(現・中西モナ)や、07年に姫井由美子議員との不倫と飲食店出店に関する金銭トラブルを告発し、その騒動を受けて勤務先の関西学園を解雇された横田育弓生氏など、政治家と不倫関係に陥ってしまった人たちの身辺は穏やかではない。

 不倫報道による誤解を解こうと書かれた政治家側の本、そして、完全否定され、募る気持ちをぶつけた不倫相手側の本。ここでは、それぞれの視点から、こうした愛憎劇の結末をご覧いただきたい。

■告発する側金沢京子の主張
「相手が自分より偉い立場にいるうちは、暴露本なんて出すもんじゃない」

――金沢さんは、1996年に著書『橋龍が愛した女』【1】で、故・橋本龍太郎元首相との不倫の詳細を暴露されました。反響はいかがでしたか?

金沢 あの本は結果的に暴露本になってしまいましたけど、私的にはただ、橋本先生との間に起きたことを忘れないために、書き残しておきたかっただけなんですよ。それに橋本先生とお会いしていたのは83年頃のことで、出版した当時からしてもかなり古い話だったため、そんなに話題にもなりませんでした。そもそも肉体関係があったことは、90年に「フラッシュ」(光文社)や「テーミス」(テーミス)で、すでに暴露しちゃっていましたし。ただ、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)では、30分くらいかけて取り上げてくれたらしいです。“らしい”というのは、取り上げることを私はまったく知らされていなくて、放送後に見た人から聞いて初めて知ったから(笑)。要するに当時の私には、「ウチの番組で著書を紹介させてください」という連絡すらもらえないくらい、人権がなかったってことなんですよ!

――紹介するだけだと、ウチも連絡はしないですが……。ちなみに、“一夜妻”なんて呼ばれて、「金目的じゃないか」といった金沢さんへの批判もたくさんありましたよね。

金沢 『せんせい わたくし山崎拓自民党幹事長の愛人でございました。』【2】という本で不倫を暴露されたヤマタクさんみたいに、橋本先生も汚れ役のエロオヤジキャラだったら少しは違っていたんでしょうけど、90年代前半の橋本先生は、政治家には珍しい色男で、中高年女性から“龍様”なんて呼ばれてスター扱いでしたからね。そのスターと寝たことを告白して、「作家になりたい」なんて言ったもんだから、風当たりは相当なものでしたよ。特に「(寝たのは)1回だけなんでしょ」と「銀座の女といっても、ママじゃなくてただのホステスでしょ」ってことは、もう何度言われたかわからないくらい。まあ、今になって思えば、あの時どんなに真実を話したところで、橋本先生は大臣、私はただのホステスという“肩書の格差”がある時点で、味方をしてもらえるはずがなかった。これはほかの国にも言えることですけど、社会的に「肩書が偉い人のほうが正しい」と支持されるような風潮がありますから。不倫していた元高校教師に『毒姫 元婚約者が語る姫井由美子の犯罪と正体』【3】という本まで出された姫井さんも、それがわかっているからこそ、「事実無根です」って突っぱねられるんだと思う。「アンタただの先生でしょ、私は代議士よ」って思ってる節は絶対ありますよ。はっきり言って。

――本を出版されたことに、後悔の念はありますか?

金沢 全然! でも、相手が自分より偉い立場にいるうちは、暴露なんてするもんじゃないですけどね。特に私みたいに相手が男性政治家だと最悪ですよ(笑)。クリントンがスカートに手突っ込んだだけで大騒ぎになったアメリカと違って、日本は男性政治家の女性スキャンダルに甘いですから。11年末に発売されたエッセイ『モナ 本当の私』【4】にも当時の様子が書かれていますが、数年前に山本モナ(現・中西モナ)さんとの不倫が発覚した細野豪志さんは今や環境大臣でしょう。

 でもね、だからといって私は泣き寝入りするつもりはありません。今よりもっと上の立場に上り詰めて、いつか、“真実には必ず支持者が現れる”ってことを世界に証明したいと思ってるんです。そのために今、『橋龍が愛した女』をハリウッドで映画化しようと画策中なんですよ。配役の希望としては、まず私の役はミラ・ジョヴォヴィッチに。橋本先生は色男なら誰でもいいですが……。そうだ、トム・クルーズとかがいいかも。先生同様、背が低めだし(笑)。

(構成/アボンヌ安田)

かなざわ・きょうこ
1960年、千葉県生まれ。高校卒業後、2年間のOL経験を経た後、銀座のクラブでホステスに。95年には、処女作である『談合』(日本文芸社)で作家デビューを果たす。著書に、『告白 銀座ホステスの性事情』(河出i文庫)『銀座美人ホステス 妖艶の蜜戯』(大洋文庫)など。

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【1】『橋龍が愛した女』
金沢京子/鹿砦社(96年)/1427円
故・橋本龍太郎元首相との出会いから、デート、SEXまで、その関係を綴った一冊。「鹿砦社の方に書いた原稿を見せたら、その場で発刊が決まりました。その時の原稿がそのまま本になったので、文章ひどいですよね(笑)」


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【2】『せんせい わたくし山崎拓自民党幹事長の愛人でございました。』
山田かな子/飛鳥新社(03年)/1470円
02年に民主党幹事長であった山崎拓との関係を改めて暴露。04年には週刊誌で金沢氏と著者による、“政治家の不倫相手対談”も実現している。


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【3】『毒姫 元婚約者が語る姫井由美子の犯罪と正体』
横田育弓生/マガジン・マガジン(09年)/1300円
姫井由美子議員と著者による、不倫事情を事細かに綴った本。同書に関して、姫井議員は出版差し止め請求を行ったが、却下されている。


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【4】『モナ 本当の私』
中西モナ/日経BP社(11年)/1365円
06年に報じられた細野豪志現環境大臣との不倫騒動についてのみならず、仕事、人間関係、そのほかの恋愛、結婚、不妊……といった、著者自身の経験をすべてまとめた一冊。ちなみに細野大臣も、事実を認めて謝罪している。


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