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第2特集
【プレミア限定ロングver.】読まずには語れない"新"アイドルPV論【4】

絶対見るべきアイドルPVレビュー【AKB48編】

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──アイドルPVの歴史に大きな変革期をもたらしたハロプロ、Perfume、AKBの「これを見れば間違いない!」5作品をご紹介〜♪

■ショートムービーで余白を楽しませる
[AKB48]
秋元康が総合プロデューサーを務めるアイドルグループ。秋葉原のAKB劇場で行われる公演を中心に、活動。現在は研究生含め、74名が在籍。PVは、映像クリエーターの高橋栄樹がその多くを撮っている。

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選者:篠本634(しのもと・むさし)
オタクジャーナリスト。AKB48内のチームPBの仕掛け人のひとりであり、「AKB48総選挙! 水着サプライズ発表」(集英社)などの原稿執筆も担当している。


アイドルがいじめをテーマにタブーを破る

1位 「軽蔑していた愛情」
(2007年/監督:高橋栄樹)
構成:★★★★★
表現力:★★★★★
萌え度:★★★★☆

AKBのPVを数多く手がける高橋栄樹監督のAKB初作品。鈍色の空のもと、学校の屋上で踊る生徒(AKB)たち。テーマは"いじめ"。歌うメンバーたちは誰ひとり笑わない......。学校裏サイトに投稿された"誰か"の書き込み。チョークで塗りつぶされた黒板の前で立ち尽くす大島優子。廊下を歩く前田敦子の肩に、ぼいんぼいんとぶつかっていく生徒達。保健室に逃げ込む河西智美。唯一、いじめられっ優子の理解者である宮澤佐江は、「じゃあね」と廊下で別れた後、帰らずに階段でたたずむ......。そんな"いじめ"の断片が計算し尽くされた割合で散らばり、PVの最後では、屋上から飛び降りようとする優子の号泣シーン! 鳥肌モノです。「笑顔が売りのアイドルが、リアルな顔でいじめを見せる」。このPVこそ、AKBが"普通のアイドルではない"ことの証明となった初のPVなのです。ちなみに、PV中、"永遠の妹アイドル"小野恵令奈が異常なほど浮いていますが、これにも注目。

少女たちの巣立ちを見守る切なさ

2位 「桜の花びらたち2008」
(2008年/監督:高橋栄樹)
構成:★★★★★
表現力:★★★☆☆
萌え度:★★★★★

こちらも高橋栄樹監督の作品。10分以上もあるショートドラマ仕立てです。卒業式後の美術室で会話を交わす大島優子と前田敦子。「10年とか。もっと先になったら今のコト、どう思い出すんだろうね」「忘れないよ、絶対」。少女たちに訪れる永遠の1コマ。間に流れる恋心と成長。この永遠の1コマで、彼女たちはそれぞれ"少女だった"自分にケジメをつけるのです。そして、PVの終わり。学校の校門の前に向かう少女たちは"大人"になるための笑顔を携えて走りだします。......あぁ、このPVを観るたびに、胸の奥がきゅううっと握りつぶされるような感覚になるなぁ。今も原稿書きながら泣いてますよ。曲を一度ぶった切る【編註:曲の中盤、河西智美が美術の先生に告白に向かうところで、切ないBGMに切り替わる】というPVにあるまじき手法を使ってまで、ストーリーを大事にした高橋監督に乾杯! ちなみにPV集『逃した魚たち』では尺が長すぎたためか、大幅にカットされているので注意! 見どころ? 前田敦子のキスシーンに決まってるじゃん! 悶えるよ。マジで!

含みを持たせた"謎"の集合体

3位 「10年桜」
(2009年/監督:高橋栄樹)
構成:★★★☆☆
表現力:★★★★☆
萌え度:★★★★☆

やっぱり高橋栄樹監督の作品。冒頭は卒業から10年後の同窓会。大島優子が妊娠しているという設定。そして何やらみんなの心に引っかかっている"あいつ"(高橋みなみ)の存在をにおわせながら曲がスタート。10年前のあの日に戻ります。青春を謳歌するように歌い踊るメンバーたちと、極彩色のバスに乗ってはしゃぐメンバーたちの2ライン構成。このバス内の映像が独特な色使いで素晴らしい!(一眼レフカメラのキャノン EOS 5D Mark IIというデジタルカメラで撮影されたとか)バスではしゃいでいたメンバーたちは、別れが近づいてくると笑顔が消えていきます(ここらへん切ないです)。ひとりずつバスを降り、最後に残ったのは高橋と前田。高橋は、寝ている前田に手紙を握らせ、すっとバスを降ります。この意味とは何なのか? これは映像中に張り巡らされた"謎"の集合体PV。「降りる順番に意味が?」「最後、なぜ前田は驚いたのか?」等、謎の意味を追うのも楽しい!

知名度を上げたAKBの勢いを体現

4位 「涙サプライズ!」
(2009年/監督:高橋栄樹)
構成:★★★☆☆
表現力:★★★☆☆
萌え度:★★★★☆

もちろん高橋栄樹監督の作品。小嶋陽菜率いるメンバーが、サプライズで前田の誕生日を祝おう、というストーリー。いつもは陰のある前田が、今回ばかりはあっちゃんスマイル(鼻筋の上シワをくしゃっと寄せる笑顔)を連発します。また、「憧れの先生に祝ってもらう妄想中の前田」とか、「ウェイトレス姿の河西智美がコケてケーキが空に!」とか、「最後はアニメのワイプ風に画面が円を残して真っ暗に」といったバラエティに富んだ演出ばかり。その底抜けな明るさは、AKBの持つ"女のコたちがみんなでワイキャイやってる感"テンコ盛りです。そして目を見張るのは、曲の最後。メンバーがホールケーキのように輪になって歌い踊るフォーメーション。その迫力は、この曲で一気に知名度が上がったAKBの勢いを表しているようです。あと見どころは、食堂のテーブルの上でしなやかに踊る松井珠理奈(当時12歳)。本当に、この人のオーラはどうかしとるわ!

珠理奈降臨で見せつけた次世代力

5位 「大声ダイヤモンド」
(2008年/監督:高橋栄樹)
構成:★★★☆☆
表現力:★★★☆☆
萌え度:★★★☆☆

どうかというくらいに高橋栄樹監督の作品。当時AKBは、「桜の花びらたち2008」からレコード会社の移籍問題に伴い、約8カ月CDが出なかった。その暗雲をなぎ払うような見事なPVです。SKE48の松井珠理奈(この頃11歳)が、渡辺麻友、北原里英、宮崎美穂という次世代メンバーたちと共に「学園祭でAKB48のダンスを踊ろう!」という計画を立て、なんとかメンバーを揃え、学園祭を迎える......というストーリーです。このPVの見どころは、なんといっても"次世代の力"です。PVの冒頭では、学校から出て行く前田に、学校に勢いよく入っていく松井が肩をぶつけ、お互い顔を見合わす......という、「何? 秋元さんは世代交代的なアレをやらせたいの?」と、思わず勘繰ってしまうシーンから始まります(もちろんこのあっちゃんは、陰がありますよ!)。学園祭というノスタルジックさと「みんなで一丸となって努力!」という青春バンザイな世界観に胸熱必至! 好きっ!

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