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高須基仁の暴言・放言・妄言録 私は貝になりたい 第62回

チリ落盤事故で出演 33人の手記出版と足尾銅山 そして、アニータと私

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10月21日、新宿ロフトプラスワンで「第9回 熟女クイーンコンテスト」が開催された。会場は超満員。審査委員長はやくみつる、ゲストに丸茂ジュン、南部虎弾。そして、特別ゲストに島田陽子が登場!  優勝は本城さゆり31歳に決定した。エロスの狂宴だった。

 8月は清水健太郎、9月は田代まさし、そして10月はチリの落盤事故について、テレビ局が私に意見を求めてきた。なぜチリの件で私なのか。

 私はかつておもちゃのトミーに勤めていた。おもちゃは、インターナショナルビジネスである。そして、その後は出版業を続けてきた。つまり、インターナショナル・パブリッシングについてわかる日本人はあまりいないということで、テレビ朝日から「もし落盤事故で救助された33人が本を出版したら」というテーマでコメントを依頼されたのだ。私は次のように答えた。

 救出された33人が共著として1冊にまとめ、定価20ドル前後で販売する。世界の主な言語に翻訳すればミニマムで1億冊は発行されるだろう。20ドル×1億冊=20億ドル。1ドル80円計算で1600億円の売り上げが立つ。その後、返本がかさばろうとも、印税は実売部数ではなく、発行部数で算出するのが一般的だから、印税を最低基準の10%で計算しても、160億円が33人に入る。つまり1人当たり4.8億円のインカム。日本円で4.8億円ということは、チリに行けばその10倍、48億円の価値があるはず。つまり孫子の代まで自由にできるカネが入ってくる。そのくらいのビッグビジネスだ。さらに、映画化しようとアメリカが動いているようだし、ゲーム化もありうる。

 ただし33人が揃って揃ってきれいな話ばかりでまとまるわけじゃない。表向きはリーダーシップだ家族愛だとあるが、裏にはケンカや葛藤があったはず。表も面白いが裏も面白い。なので、まず表で1億冊、裏は33人それぞれバラで売って、個人のインカムにすればいい。

 これらのビジネスはチリ政府がまとめるだろう。事故に関して政府の管理体制の甘さを指摘する声もあるが、地下に閉じ込められていた70日間に、政府と33人の間には暗黙の契約がなされているはずだ。「出版その他によるインカムは大きい。だから余計なことはしゃべるな」……。案の定、33人は口を閉ざしている。

 私には先見の明がある、尖閣諸島は6年前から問題視し、日本青年社と共に視察に行った。田代まさしの薬物使用についても予言した。今回のチリの件も、やはり私が言う通りになりそうだ。私はさまざまなところで"着眼大局"なのである。だが、なぜかそれをカネにできない。

「カネがない。でも決して逃げない。しかし結局、払わない」──酒を飲みながら思いついた言葉だが、これは私だけでなく、今の日本の現状ともいえる。カネがあれば、日本の出版社が33人の出版権を取りに行っただろう。映画化権も、ゲーム化権も日本の企業が取っただろう。だが、今はカネがない。

 チリの鉱山とカネについて考えたとき、ふと足尾銅山を思い出した。足尾銅山は1550年に発見され、1973年に閉山。20世紀初頭には東洋一の銅産出量を誇った。坑道の総距離は1234キロメートルに及び、直線距離にすると東京―博多間に相当するという。しかし、製錬所からの排煙や精製時に発生する鉱毒ガス、排水に含まれる鉱毒が、周辺の環境に大きな打撃を与えた。足尾銅山の近辺は今でも禿げ山、砂漠のようだ。環境破壊の傷は深い。

 チリは世界の銅の35%を生産する銅生産国であり、事故が起きたのも金や銅の鉱山である。今回、チャラチャラと愛人がどうだ、リーダーシップがどうだと報じているが、銅の鉱毒についてはまったく触れられていなかった。33人の救出劇の前に、何百人何千人が死んでいるのか。その根本的な問題を誰も指摘しない。チリの鉱山労働者は、1000年先のエコより現世のカネに生きている。

 チリといえば、日本人にとってはアニータだ。10年ほど前、夫が青森県住宅供給公社から資金14億円を横領し、その大半を手に国へ帰ったチリ人妻である。彼女も現世のカネのために、日本人を欺いた。

 アニータは、かつて私のプロデュースで、「週刊ポスト」(小学館)のグラビアを飾ったことがある。そのとき彼女は「現金がなければ首を取られる」とスペイン語で言った。そして、たかだか3時間の撮影で100万円を手に入れた。しかもキャッシュで。彼女が掲載された号は、まったく売れなかった……。

 田中正造を生み出した日本よ、チリに怒れ。チリには1000年先の地球を憂うやつは誰もいない。ま、そういう私も、エコだなんだと1000年先を考えるやつは信用していない。人間、100年だって生きるのは、"戸籍上"でなければめったにないこと。そんな人間が1000年先を考えるなんて無責任な話はないと思うからだ。

高須基仁(たかす・もとじ)
中央大学経済学部卒業後、某玩具メーカーにて数々のヒット商品を開発。その後、紆余屈曲があって、出版プロデューサーとなり数々のヘアヌード写真集を手がける。別名、毛の商人。
公式ブログ「"百花繚乱"独り言」

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