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第1特集
角田は再婚、島本は離婚、石田衣良は男やもめに......

次期女王サマは川上未映子? 文芸編集者が"文壇の裏"を大暴露!【1】

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――出版業界に厳然と存在する「文壇タブー」。作家たちの人間関係、私生活など裏事情は隠されてるけど、もっと知りたい、あの作家さんのこと!「サイゾー」読者に作家たちの素顔をお見せするべく、文壇調査団が出動します!

[座談会出席者]

A......大手出版社のスキャンダル系週刊誌記者。30代後半男性。

B......大手出版社で文芸をメインに担当する書籍編集者。30代前半男性。

C......文壇バーでアルバイト経験ありの、中堅出版社の雑誌編集者。20代後半女性。

A 文壇タブーねぇ......「噂の眞相」なき今、文壇ゴシップを報道する雑誌が存在しないのは相変わらずだよね。でも、これは単純に、タブーというより、ゴシップを取り上げるほど名前が売れてる作家が減ってるから、っていうのもあるでしょう。

B 文壇自体、もはや本当に存在してるのかどうか(笑)。縮小傾向が著しいですからね。文壇が成立したのは90年代までで、その頃まではその特殊な世界の中で、作家と編集者が一蓮托生で作品を作っていた。でも、ケータイ小説やタレント小説がベストセラーになる昨今、もはや文壇の必要性自体が希薄ですよ。

C 文壇内の派閥やサークルも、どんどん小さくなってますしね。

A そうだね。長嶋有あたりのわりと若い作家で構成されてる、角田光代率いる"角田会"くらいじゃないかな。でもあれも、影響力を行使するっていうような派閥じゃなくて、飲み仲間がつるんでるっていう感じだしなぁ。

B そうそう、角田といえば、最近再婚しましたね。

C 同業の伊藤たかみと離婚したのは、去年の12月に「週刊女性」(主婦と生活社)で報じられてましたよね。

B 再婚相手の素性が一切出ていないので、憶測が飛び交っているんですが、伊藤との結婚時も、業界内ですら公にされてなかったですから、今回も隠しておくつもりなんじゃないでしょうか。

A それなのに、角田の浮かれぶりがスゴいらしい。「小説トリッパー」(朝日新聞出版)の今春号から、阿部和重が作家のお悩み相談に答えるという新連載が始まったんだけど、その第1回のゲストが角田で。「幸せすぎると小説が書けなくなることってあるのでしょうか」という相談(笑)。「実際にそういう状況にあるわけではない」と言いつつも、やたら悩みが具体的で、阿部にもすごく突っ込まれてたね。

勘違い男No・1は石田衣良!?人気作家たちの恋愛事情

C 角田の件もそうですが、売れっ子作家の結婚・離婚とか恋愛って、全然話題にならないですよね。離婚はともかく、結婚ならめでたい話だし、いいんじゃないかと思うんですけど。

B うーん、当然のことながら、作家としても作品と自分自身は別のものとして見てほしいだろうから、そういう私生活の面は表に出したくないんでしょうね。あとは単純に、読者からしたら顔と名前が一致しないような作家が増えてるから、タブーではなくて、週刊誌なんかでは話題になりようがないのでは?

A それはあるね。先日、島本理生佐藤友哉が離婚したらしいけど、それだって全然話題にならない。三島賞をとっていたって、社会的には知名度はほとんどないも同然だから。でも、1年近く前にそのネタが出てきたときに、記事にしようかと思って、両者をよく知る「ファウスト」(講談社)の編集長だった太田克史さんに真偽を確認した記者が、「そんなことどうだっていいだろう」って尋常じゃない剣幕でキレられたらしいよ。「ファウスト」内のタブーだったのかな。

C それにしても、今に始まったことじゃないですが、作家同士とか、作家と編集者とか、身近なところで結婚したり別れたりという話ばかりですねぇ。

B いや、そうとも限らないですよ。平野啓一郎なんて、去年「GRACE」(世界文化社)のカバーモデルの春香と結婚したし。

C 平野といえば、私が以前働いていたバーに彼はよく来ていて。一回誘われて食事に行ったことがあるけど、そこでホテルにまで誘われましたよ(笑)。「今日自分が予約してるのが○○ホテルなんだけど......この後時間ある?」って。ボソボソとした口調で自分の話を延々語り続けるのと、全身ブランドで固めるような悪趣味がイヤで断ったけど。同じように平野に声をかけられていた店の子はいたなぁ。

A うわあ……。そういう話を聞くと、「芥川賞を取って急に脚光を浴びて、勘違いしちゃったんだろうな」って思っちゃうよね。しかも、最近は『本の読み方 スロー・リーディングの実践』や『小説の読み方~感想が語れる着眼点』(ともにPHP新書)といった本を出して知識人然とした仕事を始めたり、文壇の"いい男"代表みたいにメディアに出てコメントしているのがまたイタい(笑)。

B でも、それを言ったら、近年一番の"勘違い"作家は、やっぱり石田衣良でしょう。映画に出たり、06年に作った自慢の真っ白な書斎をテレビや雑誌で紹介されたりね。07年に出したエッセイ『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』(文藝春秋)の表紙も自宅で、ばっちり本人が写っていて、家建てたのがよほどうれしかったと見える(苦笑)。

A でも、その一方で、家の中はバタバタだっていう話だけどね。実は、彼の奥さんが昨秋に亡くなっているんだよね。全然報じられなかったし、本人もまったく明かしてないんだけど。

C それに関しては、怪文書がかなり出回りましたよね。どこから流れたのか、2ちゃんねるなんかでも話題になったりしてましたけど。

A お葬式に行った人の話だと、けっこう異様な雰囲気だったらしい。関係者には「どうぞカジュアルな服装でお越しください」って招待状が送られて、当日は石田本人もジーパンで現れたんだって。会場には遺影も花輪もなくて、お棺だけがぽつんと置いてあって......。カジュアル葬のつもりなのかもしれないけど、怪文書のこともあったし、弔問客としては戸惑ったっていう話だったよ。

B 怪文書って、どんな内容だったんですか?

A 石田の女遊びが原因で、奥さんが精神を病んでるとかなんとか……。5年くらい前から怪文書はいろいろと出回っているんだけど、不倫相手による嫌がらせという噂もあったくらい。ただ、内容が内容だし、石田はいろんな版元で仕事をしていることもあって、どの週刊誌も報道はしなかった。これは、文壇ゴシップが出版界のタブーだっていうわかりやすい例だよね。

C 今時珍しく、社会的にも顔が売れてる作家なんですけどねぇ。そういえば私、渋谷・円山町のラブホテル街で、石田らしき男が若い女子と歩いているのを見たことがあるけど、あれは本人だったのかな......。

文壇の新女王・川上未映子 やっかむ作家に大激怒!

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第138回芥川賞受賞式にて、同回直木賞の桜庭一樹(左)と。この前の記者会見で川上のパンチラが撮られたが、掲載する写真週刊誌がなく、お蔵入りになったとか。

C 今はもう、芥川賞、直木賞を取っても、昔ほど売り上げにもつながらないし、作家自身の知名度もなかなか上がらないですよね。最近だと、一躍世間に知られるようになったっていうのは、川上未映子くらいでしょう。

B うーん、彼女については作家としてよりも、ビジュアル的な売れ方が大きいですよね。今年の秋には、映画『パンドラの匣』(太宰治原作、冨永昌敬監督)で主演女優をやるそうだし。

A 文壇内での影響力とか人脈ってところでいえば、文壇の"女王"山田詠美の後釜は川上じゃないかと言われてるけどね。山田はほかの女性作家に何かとケンカを売ったりしてお騒がせキャラだけど(笑)、とにかく年上のベストセラー男性作家に受けが良くて、それで文壇の女王になった。川上は今、それ以上に大物作家たちから可愛がられているそうだからね。

C やっぱり美人は得ってことか(笑)。でも、急激に売れたから妬みも買っているみたいですよ。実際彼女は、文壇関係者の飲み会で某女性作家に嫌みを言われて、その後で泥酔して別の飲み会になだれ込み、「私はホステスやってたときも、あんなにバカにされたことはない!」って、怒り狂ってたらしい。

B 逆に、去年の芥川賞作家の津村記久子は、あまりの野暮ったさがむしろ話題になりましたよね。今でもOLをやりながら、真夜中に細々と書き続ける生活をしているそう。でも、芥川賞含め文学賞自体は、相変わらず主催各社の政治戦略が透けて見えて興ざめです。川上のときだって、最初に候補になったのは「早稲田文学」(早稲田文学編集室)に載った『わたくし率イン歯ー、または世界』だったけど、受賞したのは文藝春秋の「文學界」掲載作『乳と卵』で、結局主催の文藝春秋が優位なんだな、と。賞によっては、選考委員の力によって受賞者が決まる場合があるのもえげつない。そういうところだけは、いまだに文壇文化が残ってますよね。

A 文壇政治ってヤツね。それにしても、書店に並ぶ「売れっ子作家」の顔ぶれも10年前とあんまり変わらないよね。20代の作家で、突出した人が出てきていない。別に、北方謙三渡辺淳一みたいに、サイン会を開けば銀座のクラブのママが大挙して来る、みたいなキャラじゃなくていいんだけど(笑)、もっとアクの強い作品を書く傑物が出てきてもいいと思う。

C 作家が小粒になってますよ。出版社に守られて育っているというか、今ゴシップ記事なんか書かれたら、すぐダメになりそうなひ弱な作家が多い。そういうところも、文芸が勢いを失った理由なんじゃないでしょうか。文壇タブーの存在が、逆に作家をスポイルしているのかもしれません。
(サイゾー文壇調査団/構成)


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