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拡大する若年層のドラッグ汚染

相次ぐ大学生の大麻摘発 裏にはお役人の点数稼ぎ

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警察との統合も取り沙汰されてきた麻取。そうなればますます検挙数に追われることになる?

  昨年末頃から、有名大学生による大麻所持の検挙が急増している。10月には法政大学の学生5人が大麻所持の疑いで、また早稲田大学生ら4人が密輸・栽培の現行犯で逮捕されていたことが判明するなどした。年の瀬も押し迫った12月31日には慶應大学生1人、さらに今年に入ってからは、東京大学の大学院生が密輸で逮捕されている。「インターネットによって、大麻種子の輸入・栽培が容易になったため」「音楽フェスやレイヴの普及が原因」など、さまざまな理由の憶測が飛び交っているが、実は検挙急増の裏には、取り締まる側の事情もあるのだという。

「ここ数年で、北朝鮮籍と思われる不審船の数が増えたことなどから、日本海を航行する巡視船の数が増えた。それで監視が厳しくなったせいで、北朝鮮から国内に入ってくる覚醒剤のルートが止まってしまったんです。そのため国内での流通量が減り、覚醒剤での摘発件数が減少。それで、検挙ノルマを達成しようと焦った麻薬取締官たちが、点数稼ぎに大学生を捕まえているという話ですよ」(事情通)

 麻薬取締官、通称"麻取"は、厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に所属する、厚労省の役人。任務に就く際には拳銃を帯行することも許可された、司法警察員でもある。近年、警察官による検挙ノルマ達成のための拳銃のヤラセ摘発が問題になっているが、麻取にも警察官同様に、年ごとの検挙件数ノルマがある。

「ノルマは公表されていませんが、前年度比を下回ると『督励体制』とされて、取り締まりが強化されます。ノルマの達成度は、次年度予算、キャリアへの評価、装備資器材の購入、休暇、次の異動......これらすべてに影響する。覚醒剤と大麻だったら、有害性で覚醒剤が勝るため、検挙時の評価は高い。取り締まり捜査の際の危険度も高いですからね。でも、検挙件数という数字で見れば、覚醒剤も大麻も同じこと。細かく大学生を捕まえることで数字を稼いで、体面は保てます」(麻薬取締捜査関係者)

 また、ここ最近摘発された大学生たちの特徴として、東大、慶應、早稲田、法政など、比較的偏差値の高い有名大学が多いということが挙げられる。実はここにも、"評価"という麻取側の都合がからんでいる。

MEMO大麻 クサ、ガンジャなどとも呼ばれる。麻の葉や茎を乾燥させて刻み、燃やすなどして煙を吸引して使用。日本では、無許可所持が最高で懲役5年、営利目的の栽培は最高で懲役10年の処罰を与えられる。

「摘発の社会的影響力と評価には、関係があります。低偏差値校の学生を捕まえても、社会的には反応が薄く、有名大学のほうがマスコミにも取り上げられやすい。そうなると印象が強くなって、評価が高くなる。麻取にとっては、省内評価こそが仕事の対価。結果として若者への"見せしめ"や"警告"にもなりますが、何よりもまずは自分たちの評価のためなんです」(同)

「海外では合法の国もある」「中毒性がなく、タバコよりも安全」などというマユツバものの理由から、安易に手を出す学生も学生だが、出世のために有名大の学生ばかり狙い撃ちする麻取も麻取。そもそも、大学生ばかりを取り締まっていても、薬物汚染を元から断つことにはならず、トカゲのシッポ切りにすぎないのではないだろうか。

「取り扱いルートを一網打尽にするようなことは不可能だとは思いますね。ただ、情報が入ってきやすいことと、素人であるため摘発が容易なことが、この状況に拍車をかけています。ただし、情報は入ってきても、国立大学の有名校が捜査対象になることは、私大のそれに比べてとても少ない。それは『各省庁のキャリアたちの出身校』だから。上司たちの母校に傷をつける役は、誰だって避けたいですからね。現場の取締官は、課長や課長補佐クラスを除けば、私大出身者が圧倒的なんですが......」(同)

 とにかくノルマ達成と"評価"ありきで進む麻薬捜査、どうやら大学生への追及の手は、まだまだやみそうにない。軽い気持ちで手を出す若者が良くないのはもちろんなのだが、弱い者いじめのようなこの取り締まり状況は、
健全な捜査といえるのだろうか。
(編集部)


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