民主党が知り得なかった 普天間移設問題の深淵【後編】

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2桁台の伸び率を維持する中国の軍事力とその抑制

神保 稲嶺氏・仲井眞氏はもともと沖縄の財界人ですから、経済界を代弁して発言しているところもありそうですね。それにしても、沖縄の交渉術はすごい。

守屋 議論すべき時を心得ているんです。役人は2年たつと異動するし、政治家もアメリカのように4年間も同じ部署にはいない。日本の行政組織は、継続性に乏しいのです。それゆえに、基本合意書・基本確認書の内容を明らかにすることなく、「沖縄の要望を満たしていない」とか、「ひどい案だ」と言われれば、中央の政財界・マスコミは、それに対する対応力がありません。

神保 この問題の複雑さも知らないまま、民主党は政権獲得を前に「県外移設」という実現困難な公約を打ち上げてしまった。しかし、いざ政権の座に就いてみると、軍事上・安全保障上、沖縄以外に移設の選択肢を見つけることができなかったと。今回、一応は結論を出したものの、沖縄基地問題は今後ももめそうです。政府としては、まずどんなことを考えるべきなのでしょうか?

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