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フィクションで解剖――オトメゴコロ乱読修行【18】

【『ホットロード』】「メンタル複雑系女子」に疲れ果てた反動か「元ヤン女子」の癒やし効果

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――サブカルを中心に社会問題までを幅広く分析するライター・稲田豊史が、映画、小説、マンガ、アニメなどフィクションをテキストに、超絶難解な乙女心を分析。

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 NHKの朝ドラ『あまちゃん』(13)で大ブレイク後、いろいろあった能年玲奈が、「のん」に改名して再出発したのは、今年7月。今後もいろいろあるだろうから、今のうちに希少な主演作を観直しておかねば……というわけで引っ張りだしてきたのが、映画『ホットロード』だ。

 原作は紡木たくによる、80年代ヤンキー少女マンガの名作。現在アラフォーの元ヤン女性にとっては心のバイブルであり、本作品に影響を受けてヤンキー道を志した方も少なくない(筆者の元カノの姉上がそうだ)。

 ヒロインは、母子家庭に育つ14歳の宮市和希。母からの愛に飢え、反目し、いつも孤独感を抱えている少女だ。和希は湘南の暴走族「NIGHTS(ナイツ)」に憧れ、そこに所属する16歳の春山洋志に恋をする。彼の影響を受けてヤンキー化がエスカレートしてゆく和希だが、誰かを想い愛することの意味を知り、やがて母と和解に至る。

 原作に忠実に、ファンを怒らせないよう細心の注意を払って作られた実写版は、可もなく不可もない出来なので、特に語るべきことはない。時代感を出すためにエンドロールで流された尾崎豊も、無難中の無難チョイス。むしろ観終わって無性に語りたくなるのは、我らが文化系男子にとっての「ヤンキー女」という存在についてだ。

 まず基本的に、筆者を含む30代以上の文化系男子は、基本的に「ヤンキー的なるもの」を脊髄反射でバカにする傾向にある。

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