>   >   > 【サイバー攻撃】が日本を襲う

――アノニマスによるサイバーテロ、元NSAエドワード・スノーデンのアメリカ世界同時監視システムの告発、度重なる国家や企業の情報流出……。近年、通信にかかわるニュースをよく耳にするようになったが、迫り来るその脅威に気がついた時には、すでに手遅れかもしれない。安穏と暮らす日本人に警鐘を鳴らす。

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一時期話題になったアノニマスも、ハクティビストとして国境を越えて暗躍している。(写真/ウィキペディアより)

 2013年、元NSA(アメリカ国家安全保障局)のエドワード・スノーデン氏が発信した「世界同時監視システム」の告発には、世界が耳を疑った。インターネット、Eメール、電話を使った全世界のコミュニケーションツールをアメリカ政府が監視し、毎日2億件の通信データを収集していたと言うのだ。オバマ大統領は「アメリカ国民に対する盗聴行為はしていない」と弁明したが、裏を返せば他国民に対する盗聴活動はしていると認めたと同じこと。国家や企業の機密情報から、個人の細かな情報まで手に入れることができ、政治的・経済的・軍事的とさまざまな用途に利用されていたのだ。それまでサイバー攻撃のニュースなどを聞いても、まるでSF映画のように非現実的なイメージしか沸かなかった人でも、この時ばかりは危機感を覚えたはずだ。

 さらに15年はフランスで2度もテロが勃発し、そこでも通信が大きな話題を呼んだ。1月のフランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」襲撃、そして11月にサッカースタジアムでの爆発から始まったパリ同時多発テロ事件の悲惨な光景はまだ記憶に新しいが、それぞれ犯行声明を出したイスラム国やアルカイダなどのイスラム過激派に対し報復を行うと発表し、実際にハッキング行為で次々と攻撃を仕掛けていったのが国際ハッカー集団「アノニマス」だった。彼らにはある種のヒーロー的な頼もしさを覚えた人も多いかもしれない。

 しかしアノニマスは政治的、社会的な動機を背景にハッキングする集団。立場が変わればまったく見え方は変わってくる。昨年9月から2月までの約半年間にアノニマスが日本の企業や公的機関を狙ったサイバー攻撃は140件を超えている。日産自動車などの企業から、成田空港という交通インフラ、そして厚生労働省、金融庁などの行政官庁のホームページが被害に遭い、多数のコンピュータから対象のサーバーに対して一斉に大量データを送りつけてダウンさせる「DDoS」と呼ばれる攻撃で、ホームページの閲覧が不可能になった。

 日本でもまた他人事ではなく、サイバー攻撃が繰り広げられている。それでもまだ自分には実質的な被害がないと考えている人も多いだろう。しかしそんな油断が命取りになる時代が到来しているのだ。

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