>   >   > 【嶽本野ばら】清原にすすめたい本

――2015年4月、『下妻物語』(小学館)などで知られる小説家・嶽本野ばらが、麻薬取締法違反で逮捕された。薬物による逮捕はこれで2度目。やめられなかった薬物への未練と、文学界の巨匠たちへの憧れ、そして清原和博へのメッセージまで、現在の心境を語る。そして、そこにはいつも本があった──。

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(写真/高田 遼)

 僕が薬物で最初に逮捕されたのは、2007年でした。『幻想小品集』(KADOKAWA)を出版することになり、その日は、そこに書き下ろしで収録する予定だった「チョコレートカンタータ」を、ちょうど入稿したところだったんです。担当の編集者に原稿を送った直後に、解放感から大麻を吸ったんですが、それまでずっと家にこもって仕事をしていた反動もあってか、外に出たくなってしまったんですよね。それで、そのまま新宿をブラブラ歩いていたところ、職務質問されて、捕まっちゃったんです。「チョコレートカンタータ」は、薬物をチョコレートに見立てて、中毒者を描いた作品でした。あまりのタイムリーさに、編集者からも「話題作りのために、わざと捕まったんですか?」と疑われたほどです。

 当時は、初犯で執行猶予がつくのは想定内だったので、僕も各版元の担当者も、それほど深刻さがなくて。みんな、僕が出てきたら、それをネタにどう転がそうかということを考えていた感じでしたね。もちろん、悪いことをして捕まってはいるんだけど、「これを無駄にしてなるものか!」という思いがあったんです。それで、釈放されてすぐに取りかかったのが『タイマ』(小学館)でした。あの頃はいろいろと取材の依頼もいただいたのですが、全部お断りしていまして。小説家は小説家らしく、小説で説明します、という形を取ってもらったんです。

 そもそも僕が大麻に興味を持つようになったのは、10代の頃から読んでいた芥川龍之介や太宰治らの近代文学がきっかけでした。芥川は睡眠薬、太宰はパビナール、坂口安吾はヒロポン。彼らがハマった薬物というものに、強い関心を抱いていたんです。ただ、僕は覚せい剤などのケミカル系には抵抗があったので、その興味は、どちらかというと大麻やアヘンなどのナチュラル系に寄っていました。

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