>   >   > 【連載】「宇野常寛の批評のブルーオーシャン」第26回
連載
宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第26回

ノマド論争が喚起するもの

+お気に入りに追加

──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

1207_uno.jpg
『ノマドライフ』

「ノマド」という言葉が今、再び注目を浴びている。本来は遊牧民を意味するこの言葉は、かつてバブル経済の頃に(日本的)コミュニティにとらわれない思想・文化運動の担い手=自立した主体のひとつの理想形として、文学・批評シーンでキーワード化したことがある。

 そして20年の時間を経て、再びこの言葉が浮上してきた。インターネット普及以降のフリーランスのジャーナリスト、プランナーなど知的生産者のビジネススタイルを「ノマド」というキーワードで表現し、流行語化することでムーブメントを形成しようとする動きだ。僕が最初にこの文脈で「ノマド」という言葉を聞いたのは、収監前に堀江貴文さんに会った時なので、1年と少し前だと思う(彼は出所したら「ノマド」になると言っていた)。それから短い間にこの言葉は独り歩きし、特に今春以降はもはや「ノマド」の話題を聞かない日はない。キーパーソンになっているのはジャーナリストの佐々木俊尚氏とその弟子筋にあたる安藤美冬氏だ。特に安藤氏の『情熱大陸』(TBS)出演を境に、ソーシャルメディア上でこの「ノマド」をめぐって、氏に憧れる人々と、その批判者たちの盛り上がりが止まらなくなっている(僕も先日「雑誌のコラムで『ノマド』について書くつもり」とツイートしただけで「ノマド礼賛者、死ね!」とリプライが来た)。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年6月号

オトナの写真学

オトナの写真学

忍野さら"暗室"グラビア

忍野さら
    • 【忍野さら】の危険な部分にレンズが迫る

インタビュー

連載

    • 【日向カリーナ】筑前煮が好きなんです。
    • 【優木まおみ】アイドルから教わる初心
    • 【原あや香】モグラ女子の謎の習慣
    • パラリンピック1964-2020
    • 【彩芽】とスキャンダル
    • 漫画村が開けた「ブロッキング」のヤバさ
    • 高須基仁の「全摘」
    • 異様な空気が高揚を促す【奇祭】
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【ミシェル・ンデゲオチェロ】丸刈り才女の面目躍如
    • 【森友文書改ざん】法務省が抱えた積年の恨み
    • 統合失調症や自閉症は【母親】のせい!?
    • 町山智浩/『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』正義のラケットで女生憎悪を打ち砕け!
    • 【フェイスブック】個人情報商用利用の問題点
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/燃える宇船
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【星野源】ドラえもんの歌詞の妙技
    • ガンズ・アンド・ローゼズTシャツをめぐる裏話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、性からの逃走に聖痕の闘争を。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』