>   >   > なぜデヴィット・フィンチャーは「映画の他...

「CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評」とは?

本誌連載陣でもある批評家・編集者の宇野常寛氏が主宰するインディーズ・カルチャーマガジン「PLANETS」とサイゾーがタッグを組み、宇野氏プロデュースのもと、雑誌業界で地位低下中のカルチャー批評の復権を図る連載企画。新進気鋭の書き手たちによる、ここでしかできないカルチャー時評をお届けします。見るべき作品も読むべき批評も、ここにある!

1104_socialnetwork.jpg

今月の1本
『ソーシャル・ネットワーク』

濱野智史[情報環境研究者]×川本ケン[映画ライター]×宇野常寛[批評家]


──アカデミー賞では編集賞・脚色賞・作曲賞の3冠にとどまった『ソーシャル・ネットワーク』だが、折からのフェイスブックブームとも相まって、日本では引き続き注目を集めている。『セブン』『ファイトクラブ』の監督が、今世界的にホットなインターネットの事象を題材とした理由はどこにあるのか? "映画的なるもの"をめぐる挑戦と、その向かう先を考える。

川本 昨日もう一度観直したんですが、最初の印象よりもストレートな青春映画だったんだな、と感じました。監督のデヴィッド・フィンチャーは今まで自分の快感原則にこだわった作品ばかりを撮っていたけど、おそらく『ゾディアック』(07)でそれを捨てた。作家性を封印して撮った『ゾディアック』の次に、もう一度自分の感性に従って作ったであろう『ベンジャミン・バトン』(09)がありますが、そこでの失敗に学んで、あらためて自分自身から遠い題材を扱ったということに今作の成功がある気がします。もはや自意識や映像のケレン味だけでは映画を作れなくなったという必要に迫られての変化かもしれませんが。その方向での、今のところの到達点が『ソーシャル・ネットワーク』。一番面白いのは、統合的な視点を排除していることですね。この映画は、誰が活躍して成功したというストーリーには描かれてない。しかも厳密には回想にもなっていなくて、誰の言葉が映像になっているのかすらわからないという作りになってますよね。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミア

2017年10月号

(裏)動画案内2017

(裏)動画案内2017

チラリと魅せる和モノ写真進化考

チラリと魅せる和モノ写真進化考
    • みうらうみ「現役音大生の(禁)水着」

哲学的アニメ批評的水着グラビア

哲学的アニメ批評的水着グラビア
    • 【鹿目凛】と東大教授の化学反応

インタビュー

連載

    • 【青山ひかる】ニコ動が好きなんです。
    • 【藤田ニコル】彼氏と聴いてたback number
    • 『ユアタイム』、下から見るか?横から見るか?
    • 日本企業の【AI・IoT】は絶望的な結果!?
    • ゲス不倫くらいで騒ぐな!地下格闘技を見ろ!
    • 【菊地成孔】ミュージシャンと文筆家、2つの顔トーク
    • 思い出を作る【米軍基地】の盆踊り
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【2パック】ラッパーの物語が銀幕へ
    • 世界はいま本当に【テロ】の時代か?
    • 【アダルトチルドレン】ですべては親のせい!?
    • 町山智浩の「映画でわかる アメリカがわかる」/『デトロイト』
    • 【理工系優位】がもたらす大学教育と知の劣化
    • 小原真史の「写真時評」/戦死者たちの肖像(中)
    • 打ち上げミサイル、下から見るか?横から見るか?
    • ジャングルポケット/ずっと舐めていられる!擬似ちくびの魅力
    • 【打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?】女心と秋の空は、まるで神隠し
    • 「バイオクイーン」ショコラの果てなき野望
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • YouTuberよどこへ行く…幽霊、現代香具師たちの難儀な炎上
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』