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「CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評」とは?

本誌連載陣でもある批評家・編集者の宇野常寛氏が主宰するインディーズ・カルチャーマガジン「PLANETS」とサイゾーがタッグを組み、宇野氏プロデュースのもと、雑誌業界で地位低下中のカルチャー批評の復権を図る連載企画。新進気鋭の書き手たちによる、ここでしかできないカルチャー時評をお届けします。見るべき作品も読むべき批評も、ここにある!

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今月の1本
『ソーシャル・ネットワーク』

濱野智史[情報環境研究者]×川本ケン[映画ライター]×宇野常寛[批評家]


──アカデミー賞では編集賞・脚色賞・作曲賞の3冠にとどまった『ソーシャル・ネットワーク』だが、折からのフェイスブックブームとも相まって、日本では引き続き注目を集めている。『セブン』『ファイトクラブ』の監督が、今世界的にホットなインターネットの事象を題材とした理由はどこにあるのか? "映画的なるもの"をめぐる挑戦と、その向かう先を考える。

川本 昨日もう一度観直したんですが、最初の印象よりもストレートな青春映画だったんだな、と感じました。監督のデヴィッド・フィンチャーは今まで自分の快感原則にこだわった作品ばかりを撮っていたけど、おそらく『ゾディアック』(07)でそれを捨てた。作家性を封印して撮った『ゾディアック』の次に、もう一度自分の感性に従って作ったであろう『ベンジャミン・バトン』(09)がありますが、そこでの失敗に学んで、あらためて自分自身から遠い題材を扱ったということに今作の成功がある気がします。もはや自意識や映像のケレン味だけでは映画を作れなくなったという必要に迫られての変化かもしれませんが。その方向での、今のところの到達点が『ソーシャル・ネットワーク』。一番面白いのは、統合的な視点を排除していることですね。この映画は、誰が活躍して成功したというストーリーには描かれてない。しかも厳密には回想にもなっていなくて、誰の言葉が映像になっているのかすらわからないという作りになってますよね。

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