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第3特集
"美人すぎる"キャスターたちがテレビに出まくる本当の理由【5】

専門家対談! 近い将来、芸能界 のドンは、"キャスター事務所"から生まれる!!

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 もはや、芸能事務所と違わないキャスター事務所。そこで男性週刊誌を中心に女子アナ評論家として活躍する丸山大次郎氏が、アイドルウォッチャーの北川昌弘氏に、アイドル目線のキャスター論について聞いた。

──昨今の女子アナブームに付随するカタチで、最近はキャスター人気が高い。実際、08年3月に行われたオリコンの「第4回好きな女子アナランキング」では、セントの小林麻央が多くの局アナを抑えて7位に入賞しています。ほかにも、朝の情報番組では、お天気コーナーの皆藤愛子や根本美緒など、タレント的な素質を備えたキャスターが注目されるようになりました。そこで、北川さんがアイドルウオッチャーとして彼女たちを、どう見ているのかをお聞きしたいと思いまして。

北川昌弘(以下、北川) ボクは"アイドル"を、「映画が衰退してテレビに移行していく時代に、テレビという媒体のために生じたもの」と考えています。つまり、基本的にどれだけテレビにシンクロするか、というのがアイドルの存在意義。その点から考えると、小林麻央や皆藤愛子などの人気キャスターは、いわゆるアイドルよりも"アイドル"として機能しているといえます。

──確かに、(テレビに出ない人を合わせれば)アイドルもキャスターも星の数ほどいますが、テレビに出ることは稀ですよね。

北川 現在、グラビアからテレビにステップアップして人気を集めているのは、ほしのあきや小倉優子などごくわずか。南明奈が最近、やっとそこに加わったかなというくらい。しかし人気のキャスター、特に小林麻央なんかは、アナウンス能力はそこまで高くないけど、ビジュアルで視聴者に見てもらうという結果を出しています。これは本当にすごいことだと思いますよ。それに今のアイドルでは、彼女たちの清純さにはとても太刀打ちできませんから(苦笑)。

──杉崎美香(元信越放送)や根本美緒(元東北放送)など、キャスターには元地方局アナ経験者が多いんです。つまり、ルックスや原稿読みの実力に加えて、テレビ慣れしているというメリットもある。そんな人材を見つけ出してくる所属事務所のスカウト能力も、ひとつキャスター人気につながるところなんでしょう。業界を牽引しているセントなんかは顕著なんですけど。

北川 芸能事務所が新人を発掘する手段は、今やオーディションがほとんど。そんな中、堀北真希や内山理名などが所属する芸能事務所スウィートパワーはちょっと変わっていて、全国津々浦々にスカウトを派遣する。そして、現地で「この辺で一番かわいいコ」を聞いて回るなど、足を使って調査しているという。各社がオーディションに頼り、同じようなレベルの新人を獲得している中、ほかと異なるやり方で飛び抜けた人材を得ている。キャスター事務所の中でもタレント性に優れたセントなんかは、スウィートパワーに近いことをやっているんじゃないかな。大学の合格発表会場にスカウトを派遣したりとか。

──それはあるかもしれません。セントは(女子アナの登竜門といわれる)ミスキャンパスに入賞した女子大生を青田買いしているんです。例えば、フジの本田朋子(ミス立教)やテレ東の相内優香(準ミス立教)なども、学生時代はセントに所属していました。現在の所属者では八田亜矢子(ミス東大)なんかもそうですし。ミスキャンパスの会場には、大手芸能事務所のスカウトマンも大勢いますが、彼らと同等、もしくはそれ以上のスカウト能力があるのかもしれませんね。

フォニックスの試みはキャスター業界の試金石

北川 もっというと、『めざましテレビ』(フジ)の"お天気キャスター枠"を続けて供給できるだけでもすごいこと。セントは大手芸能事務所にも負けないスカウトのノウハウを持っているはずです。

──キャスターの仕事は情報・報道番組のスキマ市場というのが僕の持論なんですが、そのスキマをいまやセントが独占するカタチになりましたね。

北川 もはや"スキマ"とはいえませんよ。正直、アイドルよりもキャスターのほうが、(ビジュアルや才能をとっても)テレビに出演できる要素を持っている。絶対数が違いますから、競争も少ないでしょうし。

──中でもセントは『めざましテレビ』のお天気キャスター枠など、早朝番組とのコネが強い。業界では大手芸能事務所のような存在ですよね。

北川 正しくは、大手芸能事務所になりかけているところでしょう。ジャニーズ事務所は質の高いアイドルを提供しつつ、それに続く後進の育成にも力を注いで成功してきました。そうすることで事務所がブランド化され、芸能界に大きな影響力を及ぼすようになった。セントはまだ、そこまでしっかりとした土台が形成されてはいません。モーニング娘。の後進を育成しきれずに、凋落しているアップフロントのような例もあるので......。

──長期的な観点から見ると、まだまだ安心できないところがあるということですか?

北川 そうですね。ただ、将来的に大手になる可能性は高い。減益が叫ばれているテレビ局ですが、それと並行して影響力は全盛期に比べ、驚くほどに落ちています。近い将来、キー局の影響力はケーブルテレビやインターネットと同じレベルにまで相対的に下がってくると、個人的に思っています。著作権の幅も広がったその時、どこが一番力を持つかといえば、最も優秀な人材を抱えている"派遣会社"です。アイドル以上にテレビというメディアで機能するキャスターですから、ものすごい力を持つようになるでしょう。

──今はまだ、大手芸能事務所ほど力のないキャスター事務所も、そのうちキー局がひれ伏すようになると。

北川 ただ、テレビ局のほとんどは、まったく無自覚。多くのキャスター事務所も気づいていないでしょうね。しかし、フジテレビだけはそういった状況に気づいていて、積極的にセントに近づいているのだと思います。

──昨年の12月にフジ、共テレ、セントの3社で設立されたフォニックスですね。これは、業界の試金石となるでしょう。

北川 これからドンドン局の力が落ちていけば、相対的にキャスター事務所の価値が上がっていく。局アナの地位も魅力がなくなり、「キー局に就職するよりもキャスターになりたい」という女子大生が増えるかもしれません。そこで、今から有能な人材を獲得するノウハウを持っているセントとガッチリ提携しようとする思惑も見えますね。

──それ以外にも、高島彩など、人気局アナがフリーに転向して手の内から離れていくのを防ぐという効果もあります。他局のフリー転向者を抱き込むこともできますし、事務所としての発展性は高いでしょうね。

北川 現状や未来を自覚して、それに対応できた事務所だけが生き残るカタチになるでしょう。あと数年もすれば、キャスター事務所とテレビ局のパワーバランスも大きく変化してくるはずです。そこで頂点を獲ったキャスター事務所は、マスメディアで絶大な権力を持つことになる。芸能界のドンと呼ばれるのがキャスター事務所の社長、という日が来るかもしれませんね。

(インタビュー・構成/丸山大次郎)

北川昌弘(きたがわ・まさひろ)
1957年、北海道生まれ。美女・美少女&ドラマウォッチャー。『ザ・テレビジョン』ドラマアカデミー賞審査員。『アイドル"独断と偏見"情報局』(エンタ!371)レギュラー。公式HP

丸山大次郎(まるやま・だいじろう)
1977年、北海道生まれ。男性週刊誌を中心に、女子アナ評論家としてコメント提供や記事制作などの活動をしている。

局アナの仕事を"食う"キャスター12人

セント・フォース所属
皆藤愛子
1984年生まれ/25歳
早稲田大学第一文学部卒

大学時代に『めざましテレビ』(フジ)のお天気キャスターに抜擢され、その愛らしいルックスで男性ファンの注目を集めている。趣味はフラメンコ、バイオリンなど。どこでも寝られるという豪快な一面も。

セント・フォース所属
高樹千佳子
1979年生まれ/29歳
横浜国立大学工学部卒

00年に同事務所のスカウトを受けて、「週刊文春」(文藝春秋)の篠山紀信女子大生写真館というコーナーでデビューを飾った。02年4月に『めざましテレビ』のお天気キャスターに就任。洋楽ロック好き。

セント・フォース所属
八田亜矢子
1984年生まれ/24歳
東京大学医学部在学中

04年度のミス東大。06年「ミス・ユニバース・ジャパン」ではファイナリストになったが辞退した。ほかにも美人家庭教師としてテレビ番組に紹介され、「教わりたい家庭教師ランキング」のトップ10入りした。

セント・フォース所属
小林麻央
1982年生まれ/26歳
上智大学文学部心理学科卒

清楚なビジュアルによって大学生時代の02年から『恋のから騒ぎ』(日テレ)に出演、最前列を常にキープし続けた。『NEWS ZERO』(日テレ系列)でキャスターを務めるほか、女優業もこなす。

セント・フォース所属
杉崎美香
1978年生まれ/30歳
山口大学人文学部卒

01年に信越放送入社。03年に退社後、同事務所に所属。芋焼酎やワインが大好きで、仕事がオフの日には痛飲することも。現在は『めざにゅ~』と『めざましどようび』(ともにフジ)メインキャスター。

セント・フォース所属
中田有紀
1973年生まれ/35歳
日本大学芸術学部卒

元青森放送アナウンサー。01年に退社して同事務所と契約を結んだ。年齢を感じさせないクールな美貌で男性ファンを魅了している。現在は『Oha!4 NEWS LIVE』(日テレ)でメインキャスターを担当。

セント・フォース所属
甲斐まり恵
1980年生まれ/28歳
舞台芸術学院ミュージカル部卒

清潔感のあるイメージはキャスターの中でも随一。宝塚に憧れて役者を目指し、実際に試験を受けたこともある(結果は落選)。現在は『やじうまプラス』(テレ朝)のお天気を担当している。

セント・フォース所属
中島静佳
1974年生まれ/34歳
千葉大学教育学部卒

元札幌テレビ放送アナウンサー。学生時代、オーディション番組『ゴールドラッシュ』(フジ)に出演して、タレントとしての並々ならぬ才能を見せつけた。現在は『日テレNEWS24』(日テレ)のキャスター。

フォニックス所属
八木亜希子
1965年生まれ/43歳
早稲田大学第一文学部卒

88年にフジテレビ入社。アイドル顔負けのルックスで、同期の有賀さつき、河野景子とともに「花の三人娘」として女子アナブームを牽引。00年3月に同局を退社後、共テレに所属。昨年10月に現事務所に移籍。

フォニックス所属
滝川クリステル
1977年生まれ/31歳
青山学院大学文学部卒

元共同テレビ所属。ハーフ独特の色香が中年層の人気を集めている。幼少の頃、住友不動産販売のCMに出演。学生時代は準ミス青学に選ばれ、映画『大統領のクリスマスツリー』にエキストラ出演した。

オフィス・トゥー・ワン所属
渡辺真理
1967年生まれ/41歳
国際基督教大学教養学部卒

90年にTBS入社。98年3月に退社してフリーに転身。小宮悦子の後任として『ニュースステーション』(テレ朝)に抜てきされ、絶大なる人気を誇った。現在はラジオのパーソナリティとしても活躍している。

三桂所属
根本美緒
1979年生まれ/30歳
慶應義塾大学経済学部卒

元東北放送アナウンサー。大学時代、女性デュオ「sus4」として活動して、キリンレモンCMの曲などを歌うなど、芸能活動も行っていた。局アナ時代、6回の受験の末、気象予報士の試験に合格した。


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