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雨宮純の「現代怪事廻説」【3】

〈怪事No-03〉安倍晋三銃撃事件 飛び交う陰謀論

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インターネットに蔓延り、人々を惑わす幾多の陰謀論の正体を、怪事解明ライターが紐解く――。

1954年……韓国で統一教会が設立。

1959年……日本統一教会が設立。

1968年……岸信介の支援により国際勝共連合が設立。

1980年代……霊感商法が社会問題化。

1990年代前半……女優、オリンピック選手などの合同結婚式への参加が報道される。

2012年……9月3日、創立者の文鮮明が死去。

2015年……8月26日、世界平和統一家庭連合への改称が文化庁により認定される。

2021年……9月12日、天宙平和連合(UPF)の大規模集会で、安倍晋三氏からのビデオメッセージ
が上映される。山上被告はこのビデオメッセージを見ていたとされる。

2022年……7月8日、奈良県奈良市で安倍晋三銃撃事件が発生。直後からさまざまな陰謀論が唱えられる。

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(絵/沖真秀)

2022年7月8日、奈良県奈良市で街頭演説中だった安倍晋三元首相が銃撃され、後に死亡するという痛ましい事件が発生した。首相経験者が白昼、公衆の面前で銃撃されるという衝撃的なこの事件は瞬く間に全国ニュースとなり、その後思わぬ余波を生む。

安倍氏を銃撃した山上徹也容疑者が「母親が統一教会にのめり込んで破産した。安倍元総理が統一教会と繋がりがあると思い犯行に及んだ」と供述していたこと、さらには統一教会(以下、旧統一教会)が会見を開き、山上容疑者の母親が同団体に所属していることを認めたことから、にわかに旧統一教会問題に関心が集まったのである。

この記事を書いている9月18日時点でも、連日政治と同団体の関係についての報道が続いている。長らく大手メディアで旧統一教会の問題が報道されず、カルト問題に取り組む者の間で「失われた30年」と言われてきた状況からは想像できないような急展開である。

もともと、保守派の政治運動に同団体が関わっていることは、政治や宗教に関心を持つ者の間ではよく知られていた。その代表が1968年に設立された「国際勝共連合」だ。名誉会長は右翼の大物、笹川良一氏。勝共連合は安倍晋三氏の祖父・岸信介氏の支援により設立され、反共運動の先兵となることで日本の政治運動と関わってきた。公式ウェブサイトには文鮮明氏が「提唱者」であると記載されており、現在の会長は旧統一教会の有力者である梶栗正義氏である。また、同団体の学生組織である原理研究会は、左派の学生運動に対抗する運動を繰り広げてきた。

そして、このように世間に大きな影響を与える事件では、必ずといっていいほど陰謀論がささやかれる。安倍晋三銃撃事件も例外ではなく、事件直後からさまざまな陰謀論がSNSを飛び交った。 

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