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第1特集
“パーツ+α”の百花繚乱!

“複合的連結”で刺激する! フェティシズム写真集の波状攻撃

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――小さなおっぱいやたわわなおっぱい、そして谷間などの「胸」分野。丸みや割れ目などの「尻」分野。世のフェティシズムに応える作品は、こうしたパーツがメインだったが、昨今は“+α”が上乗せされた写真集が続々と出版されている。フェチ市場の現状を探るべく、カメラマンや出版社、被写体にも突撃! 隣のフェティシズム調査。

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07年に発売された写真集『マスク☆ムスメ』。「マスクは下着である。」という帯の文は、発売から約15年後の今、マスクが下着ばりに毎日着用することになるとは思ってもいなかっただろう。

フェティシズムとは〈フェティッシュ(物神/呪物)〉から生じた言葉で、もともとは生命を持たない呪物に神秘的な力があるとし、崇拝の対象とすることを意味する。西アフリカの呪物を研究したシャルル・ド・ブロスによる造語であり、主に人類学や宗教学の用語であったのが、19世紀後半になると心理学者のアルフレッド・ビネや精神科医のリヒャルト・フォン クラフト=エビング、そして精神分析の創始者ともいわれているジークムント・フロイトらによって研究がなされ、性欲(リビドー)と関係づけられることになった。アルフレッド・ビネの『愛におけるフェティシズムについて』(1887年)によると、「肌着や靴などの、本来は性的な対象でないものを欲望の対象とすることがフェティシズム」だと提唱され、また、普通の愛においても多かれ少なかれフェティシズムは存在するとも指摘されている。エビングは『性的精神病理』(1886年)でフェティシズムを病理学的に解明したが、現代の日本では“フェティシズム”という言葉は通俗化し、「身体のパーツの一部や服装、特定のシチュエーションや属性に性的欲望を抱くこと」としてカジュアルに使用されている。それを“フェチ”と略し、「僕は〇〇フェチで……」といった具合に多くの人々が気軽に口にするものでもあるが、個人の性的欲望に強く訴えかけるものであることには変わりない。

フェチが性的欲求である以上、ユーザーの購買意欲を喚起するのは当然のこと。そこに目をつけた各出版社からは、多種多彩なフェチ写真集が多く発売されていると同時に、次々に新しいフェチが提唱され続けている現状にある。そこで、今回は過去から現在までリリースされたフェチ写真集をたどりながら「フェティシズムはどこまで進化しているのか」を考察する。

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