サイゾーpremium  > 特集  > 本・マンガ  > 戦争の本質をえぐる【絵本】

――戦争をテーマにした絵本と聞いて、『ひろしまのピカ』のような長く読み継がれてきた名作を思い出すかもしれない。ただ、戦中の悲惨で残酷な出来事を直接的に描くばかりでなく、また違った方法でその根源や本質を子どもに伝えようとするものがある。大人もハッとさせられる“戦争絵本”の世界に案内しよう。

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 終戦から75年。戦争体験者が減るにつれて、記憶が風化してしまうのではないかと危惧されている。戦争とは、いかなるものだったのか――。それを伝えるひとつの手段が絵本だ。子どもにも理解でき、忙しい大人も短い時間で繰り返し読める。夏休み中、絵本から戦争について考えてみてはどうだろうか。そこで、丸善丸の内本店の児童書担当である兼森理恵氏と、500冊以上の絵本・児童書づくりに参加した編集者・装幀家の小野明氏に、おすすめの“戦争絵本”を紹介してもらおう。

 戦争を描いた絵本といえば、原爆の恐ろしさを伝える『ひろしまのピカ』【1】や、空襲でひとりぼっちになった少女を描き、小学校の国語教科書にも掲載されている『ちいちゃんのかげおくり』(作:あまんきみこ、絵:上野紀子/あかね書房)などが有名だ。同様に、戦争の悲惨な体験を生々しく伝える絵本から取り上げよう。

汽車から投げられたユダヤ人の赤ちゃん

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 ドイツ系ユダヤ人少女アンネがナチスの迫害から逃れるため、約2年間、隠れ家生活を送り綴った日記文学の大著があるが、それをグラフィックノベル(コミックの単行本)にした『[グラフィック版]アンネの日記』【2】がこの5月に出版された(原著のドイツ語版は17年刊行)。不安を抱えて家の中に閉じこもる彼女の姿は、「コロナ禍の子どもたちにも重なる部分がある」と兼森氏は指摘。

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