サイゾーpremium  > 連載  > 高須基仁の「全摘」―お騒がせ男の"最初で最後の懺悔録"   > 高須基仁の「全摘」/【後藤新平と大谷翔平】岩手の「平」が時代を切り開く
連載
お騒がせ男の"最初で最後の懺悔録"──高須基仁 の「全摘」No.83

時代を切り開く、岩手の「平」!「大風呂敷」後藤新平と「二刀流」大谷翔平

+お気に入りに追加

──年齢不詳、職業不明、痛風持ち……老獪タカスが、自らの五臓六腑をすする気合で過激に告白&提言

1907_takasu1907_230.jpg
事務所にある大谷フィギュア。日本製だったら、こうはならないだろう。似てるかどうかは関係ない。そのスケールや躍動感は、精密さを求めすぎる日本では表現できないものだ。

 右ひじの靱帯再建手術を受け、リハビリを続けてきた大谷翔平が、先月、ケガから復帰した。早速、ビッグフライ(特大ホームラン)を放ち、ボールパークを沸かせている。“働き方改革”なんてどこ吹く風で、急がず休まず、出版社の社長業をやっている私だが、大谷が出場する試合だけは、仕事の手を止めて、欠かさず観ている。

 新橋の私の事務所には、大谷フィギュアを飾っている。去年秋、大谷のメジャー1年目の最終戦を現地アナハイムで取材してきた岩手めんこいテレビの工藤哲人プロデューサーからのお土産だ。大谷は岩手県奥州市水沢の出身。水沢は“偉人のまち”として知られるところで、翔平のほかにもうひとりスケールの大きな“平”がいる。戦前の政治家・後藤新平だ。私は去年春、水沢を訪ね、工藤の案内で後藤の生家や記念館などを巡った。後藤の写真は口ひげに長いあごひげを蓄え、威厳たっぷりの表情のものしか見たことがなかったが、地元に残っている20代前半の写真は、ひげも伸ばしておらずスッとした顔立ちでなかなかの好青年。どことなく大谷に似ていなくもない。

 後藤は発想のスケールがとにかく大きく、“大風呂敷”と呼ばれ、称賛と非難の両方を浴びた。関東大震災後、当時の国家予算の3倍以上にあたる40億円で政府が焼け跡を買い取って復興を手がけるという計画はその最たるものだったが、都度、議会などの反発を浴び、規模は縮小するも常に最善の手を尽くそうとした。

 内務大臣や外務大臣などを務めたものの総理の座にはあと一歩届かなかった後藤の知名度は今ひとつかもしれないが、政治家になる前は医師であり、偏見を持たない科学的思考の行政手腕は高い評価を受けた。台湾経営の成功、初代総裁としての南満州鉄道の運営、震災後の東京の復興などは、綿密な調査から得られるデータをもとにしていた。国勢調査は、後藤が本土を差し置いて植民地・台湾で実施したのが日本で最初である。

 ビッグマウスだがクールな目を持っている後藤の真骨頂は、将来を見すえた人づくりにある。農業経済学者だった新渡戸稲造(岩手県盛岡市出身)は、アメリカで『武士道』を執筆した直後に後藤からの熱烈なオファーを受けて台湾に渡った。製糖業の近代化に貢献し、“台湾砂糖の父”と呼ばれるようになった新渡戸を国際連盟事務次長のポストに導いたのも後藤だった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年8月号

中韓エンタメ(禁)大全

中韓エンタメ(禁)大全

韓国人気モデル「ジェナ」日本初セクシー

韓国人気モデル「ジェナ」日本初セクシー
    • 【ジェナ】韓国の美モデル参上

インタビュー

連載

    • 【小倉優香】韓国の友達が多いんです。
    • 【日向カリーナ】ブラジル系モデルの古風な一面
    • 愛しさと、切なさと、【熊田曜子と】
    • スマホとSNS以降の【ネットの未来】
    • 【安藤寿康】人間は"教育"によって生かされている(前)
    • 高須基仁/【反社】との交際くらいで騒ぐな!
    • 己の殻を破る【ギャル】が祭に集う
    • 中国【ファッションアプリ】の裏事情
    • 【Lil Nas X】栄光と挫折と突然の告白
    • 町山智浩/【トム・オブ・フィンランド】ゲイ・カルチャーの革命家
    • 医師と大手メディアと【製薬会社】の利益相反
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/闇営業物語
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/『ホットギミック』"鈍い女"がモテる理由
    • LAのDJが懐古する【90年代のクラブシーン】
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【都市計画】のスペシャリストがビールで街を盛り上げる!
    • 幽霊、殺されても咎人となるニート。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』