――20年の間で、サイゾーの表紙はどのように変わってきたのか? 小誌の表紙の変遷を、サイゾーのことをもっともよく知る人物に聞いてみた!
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現在はグラビアアイドルたちのセクシーな表紙でおなじみの小誌だが、実は人気女優が表紙を飾ってきた歴史も!
そこで、本誌若手編集部員が、創刊当時からサイゾーにかかわってきた2代目編集長で現・弊社代表のイビヘンこと揖斐憲に、これまでの表紙の変遷を聞いてみた!
――創刊当初のサイゾーは「ラジコン技術」(電波実験社、現・電波社)の増刊号扱いだったんですね。
「当時はまだ、実績のない新興出版社だったから、出版取次が新雑誌の創刊をすぐに認めてくれる状況ではなかった。なので、仕方なく他社の雑誌コードを借りて1年ちょっと出していたんだ。その後、実績が認められて00年10月号から、雑誌コードが取得できたので、その表紙で改めて創刊と謳ったんだよね」
――だから、1号目である99年6月号には「創刊号」ではなく「新登場」と書いてあるんですね。一部ではサイゾーというと、いまだにこの頃の表紙の印象が強いようです。
「『ザテレビジョン』(KADOKAWA)の“芸能人+レモン”みたいに何かワンポイント、かつ、独自の仕掛けでお金も手間もかからないってことで“芸能人+ジャージ”にしたんだ。芸能人にあえてジャージってチープで、フェチっぽくもあって、結果的にサイゾーのひねくれ目線がよく表れていて、新興雑誌の印象づけとしては良かったのかもね」
――表紙の煽りもすごいですね。“宮崎あおいの生ジャージ”って何なんですか?
「ほぼギャグだね。このシュールさに編集者は自己満足したけど、読者的にうれしいのかな……?」
――柴咲コウや小西真奈美など、今では考えられないほどキャスティングも豪華ですが、01年頃からジャージをやめて、イラストなどに変わったのはなぜですか?
「2年たったのでジャージをそろそろ変えようみたいな意識かな。月刊誌は特集に合わせて表紙のビジュアルを変えるのも一般的だしね。04年6月号の国会前で警察ににらまれつつ行ったビキニ撮影を機に水着が続くんだけど、これも『ニッポンのタブー』という特集に合わせて、タブー感を出すための演出なんだよね。ただ、これがかなり売れたので『やっぱり、水着か』と」
――でも、07年12月前後には、再び有名モデルや女優が表紙を飾る時期も。ベッキーや堀北真希が着物姿で登場しています。
「創刊時のジャージみたいなお約束衣装で、サイゾーの成長ぶりを表すために今度は豪華に着物にしたけど、この時期は全体的に試行錯誤しているね」
――10年代に入ると、表紙に穴を開けて、モザイクでカラダを隠した磯山さやかや、特殊加工のキラキラした表紙など、基本はセクシーな水着ですが、凝ったものも目立つようになりました。
「印刷会社との実験期だね。スマホも普及してネットを意識し始めたので『雑誌じゃないとできない表現や体験を仕掛けよう』って、なったんだよ。最近はdマガジンなどの読み放題サービスも意識するようになったから、表紙も露出ありきのセクシーな水着路線になっていると思われがちだけども、実はそれも15年前の国会前での水着撮影で気づきを得て、紆余曲折を経つつも、『結局は、読者もおっぱいが好き』という結論に落ち着いているということだと思います」
――20年を辿った結論が身も蓋もないですね。
(文/編集部)