サイゾーpremium  > ニュース  > ビジネス  > 三菱と三井と【みずほ銀行】の因縁

世界で進むキャッシュレス

アメリカや中国だけでなく、北欧などでもフィンテックが世界中で当たり前になりつつある。一方日本では相変わらず現金での支払いが一般的で、クレジットカードでさえ敬遠されがちだ。銀行だけでなくコンビニやスーパーなどにもATMが設置され、現金使用には便利だが、世界の時流からは取り残されつつある。

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『図解 合併・再編でわかる日本の金融業界: メガバンク・メガ生損保・3大証券の興亡』(平凡社)

 11月7日、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が2019年前半にもATMを相互開放すると報道された。NHKまでもがニュースとして取り上げたことから、両者のATM相互開放は、顧客利便性の向上に非常に前向きなものと受け止められた。

 しかしそれらの動きは、決して顧客利便性の向上を目的としたものではない。あくまでも、メガバンクの経営上の課題を軽減するための自己都合でしかないのだ。

 両行のATM相互開放により、三菱UFJ銀行の預金者が三井住友銀行のATMを利用して現金を引き出した場合、また、三井住友銀行の預金者が三菱UFJ銀行のATMを利用して現金を引き出した場合、平日の日中(午前8時45分~午後6時)に108円かかっている手数料が無料になる。

 実は現在、まだ検討中の段階で両行とも正式には発表していないのだが、対象となるのは駅前や商業施設など銀行店舗の外にある、いわゆる店舗外ATMの合計2300カ所程度。確かに、これだけなら両者のATM相互開放は顧客利便性の向上に前向きのように見える。

 しかし、その内情は別のところにある。

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