サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 過激な【自衛隊協力拒否】映画

――近年、『シン・ゴジラ』をはじめ、自衛隊が製作に協力した“自衛隊協力映画”が増えている。しかし、なんでもかんでも協力を得られるわけではなく、中には協力を”拒否”された作品もあるという。そうした“協力拒否”作品の中身を読み解くと、映画における“リアルさ”とは何か─そんな疑問が見えてきた。
※本稿で使用する「自衛隊協力映画」という用語は、自衛隊が公式に協力した映画作品を指し、筑紫女学園大学・須藤遙子准教授が定義したものです。

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『ゴジラ365日』(洋泉社)

 2016年の邦画といえば、『君の名は。』に次いで『シン・ゴジラ』の記録的ヒットも記憶に新しい。『シン・ゴジラ』は10月末時点でその興行収入が79億円を突破。10月からは全米480館以上で上映され、14年に公開されたハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の興行収入を上回るヒットとなっているという。そんな同作については、庵野秀明総監督が脚本執筆の段階から自衛隊に全面協力を依頼したこともあり、日本の防衛体制をリアルに描いたと、たびたび報じられてきた。

 しかし、某映画配給会社のA氏は、「自衛隊の協力を得てリアルさを追求することが、作品にとって必ずしもプラスになるとは限らない」と指摘する。

「戦車や戦闘機など、自衛隊の協力があれば実機で撮影できるかもしれませんが、正直、現在の技術では映像なんていくらでもごまかせてしまうので、本物で撮影する必要性はそんなにないような気がします。『シン・ゴジラ』だって、リアルさを追求した結果、戦車や戦闘機がやたら小さく見えるんですよね。それがリアルといえばそれまでですが、怪獣映画としては、そこでもっと迫力を出す方法もあったんじゃないかと」(A氏)

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