サイゾーpremium  > 特集2  > 米国 【ヒップホップvsトランプ】

――人種差別的な発言でも知られるトランプが支持を集める一方、近年、警官による黒人死亡事件が目立ち、それに抗議する大きな運動も沸き起こっているアメリカ。“トランプ”と“ヒップホップ”をキーワードにして、この国の人種問題を改めて読み解きたい。

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グラミー賞5部門を受賞したケンドリック・ラマーのMV「Alright」より。この曲を反トランプ派は合唱する!

 今、アメリカの“新たな公民権運動”のアンセム・ソングとして注目を集めている一曲がある。それが、ケンドリック・ラマーというラッパーの「Alright」だ。この曲を収録した最新アルバム『To Pimp a Butterfly』(2015年)は、アメリカ社会における差別の問題をはじめ、現在の黒人が置かれた状況も描き、16年2月に受賞式が行われた第58回グラミー賞で、主要部門は逃すも5冠を獲得した。

 この曲が注目されたきっかけは、近年の白人警官による相次ぐ黒人死亡事件を受けて全米で起こった抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)」、通称BLMである。15年7月末、このデモに参加したオハイオ州・クリーブランド州立大学の学生たちが、シュプレヒコール代わりに連呼したのが、「Alright」の一節〈We gon’ be alright(私たちは大丈夫)〉だった。のちにその模様は動画投稿サイトで共有され、各地のデモに広がったのだ。

 それから間もなくして、このコールは、共和党の大統領指名候補争いの首位に立つ不動産王ドナルド・トランプの選挙集会でも聞かれるようになる。今年の3月11日、シカゴにおけるトランプの選挙集会に、彼の人種差別発言に抗議する集団が押し寄せ、〈私たちは大丈夫〉の大合唱が巻き起こった。

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