サイゾーpremium  > 特集2  > トランプ【舌戦】ベストバウト

――人種差別、女性差別、相手の容姿への攻撃、敵の家族に対しても悪口……と、低俗を極めた発言で話題のトランプ。中でも盛り上がりを見せた5人との舌戦をダイジェストで紹介。アメリカで活躍する2人のライターからの証言により、その低俗すぎる発言が彼の支持率上昇につながっている背景も探ってみよう。

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【1】ヒラリー・クリントン(民主党大統領候補)
旦那の不倫事件を持ち出し口撃
ヒラリーの女性の権利に関するスローガンを、トランプ側がクリントン元大統領の不倫事件の映像と組み合わせ放送。低レベルな揶揄にヒラリーは「何を言っても構わないけど、彼の矛先は違うところを向いている」と呆れた。



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【2】ビル・マー(コメディアン、司会者)
お前の親父はオランウータンか?
オバマ大統領に「本当にアメリカ人か出生証明を見せろ」と騒いだトランプに対し、ビル・マーが「お前の親父がオランウータンでない証拠を見せろ」とジョークで反応。自分のこととなるとトランプは激怒し、訴訟を起こす姿勢を見せた。


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ロージー・オドネル写真撮影者:David Shankbone

【3】ロージー・オドネル(コメディアン、司会者、女優)
女性も「太った豚」「犬」呼ばわり
長く犬猿の仲の2人。ロージーは「彼は不動産王ではなく、蛇の油のセールスマン」「大統領選出馬は悪夢」と口撃。トランプは女性を“太った豚”“犬”などと呼ぶのを非難された際、「その言葉を使う相手はロージー・オドネルだけ」と発言している。


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【4】アンダーソン・クーパー(CNNキャスター)
日本も核武装、狂った北朝鮮に対抗を!
「あなたは核兵器拡散が心配と言いながら、日本、韓国の核開発を支援するかもと言った。矛盾では?」との追及に対し、トランプは「私は核兵器は嫌いだが、拡散は時間の問題。日本も韓国も狂った北朝鮮から自衛すべき」とデタラメな返答をした。


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【5】テッド・クルーズ(共和党大統領候補)
共和党ライバルの妻まで攻撃
クルーズに「品がない」と言われたトランプ。ツイッターでモデル出身の自身の妻と、表情の崩れたクルーズの妻の写真を並べ、「百聞は一見にしかず」と投稿。クルーズはこの件に関し「妻や子どもを傷つける人間を支持する趣味はない」と答えた。


 共和党ライバルの妻の容姿を口撃したり、気に入らない女性は豚呼ばわりしたりと、幼稚かつ下世話なトランプの言動。一方で、オバマ大統領に「本当にアメリカ人か出生証明を見せろ」と騒いでおいて、コメディアンのビル・マーに「お前の親父がオラウータンでない証拠を見せろ」とジョークを返されると大激怒。その自分勝手で大人げない行動には、やはり呆れ返っている人も多い。ロサンゼルス在住のライターのバルーチャ・ハシム氏によると、「トランプ氏の人種差別的、女性蔑視的、外国人嫌いのコメントは『ヒトラーに似ている』という批判さえも耳にする」とのこと。だが一方で、賛同者もいるという。

「『メディアはトランプの発言をねじ曲げて引きずり下ろそうとしている』という声もありますし、『トランプは、行動力がありアメリカをまた偉大な国にしようとしているだけだ』と擁護する人もいますね」(ハシム氏)

 ブルックリン在住のライター池城美菜子氏も、「トランプは大統領になる知識や教養、常識のある人間ではありません」と切り捨てるが、彼の人気はメディアに露出するたびに上昇しているのだという。

「私の住むニューヨークはリベラルが強い土地なので、周囲に熱狂的なトランプ支持者はいません。ただもう少しで白人の人口が50%を切る今、数字上ではマイノリティになる変化を恐れる層が、幻想を追い求めて、トランプを支持しているようにも感じます。その人気の背景には無論、彼が出演するリアリティ番組が長く放送されていたことにあるでしょう。企画を売り込む起業家の卵たちを、トランプが切り捨てる予定調和の番組でしたが、社会、経済情勢に疎い層にも抜群にトランプの知名度が高いのは、その番組のおかげです」(池城氏)

 CNNキャスターのアンダーソン・クーパーに、核兵器拡散に対する姿勢の矛盾を追及された時も、その回答は支離滅裂。だが「日本が核武装して狂った北朝鮮から自衛したほうが、アメリカにとって得策。自衛しないなら、日本からカネをもらうべき」などの発言からは、「威勢の良さ」が伝わってくるのは事実だ。

「エンターテインメントが大好きなアメリカ人には、国民からここまで両極端な反応を引き出せる人物が、ある種のカリスマ性があるように見える。それがトランプの評価につながっています。バラク・オバマのような民主党の大統領の後に、『強いアメリカ』を打ち出す共和党の候補が求められているのも、大統領選のパターンのひとつですね」(ハシム氏)

 トランプの言動が低俗なのは間違いないが、低俗でも人々に熱狂や興奮を呼び起こすものは強い。「悪貨は良貨を駆逐する」ではないが、この流れを放っておくと、アメリカも世界もその低俗旋風に巻き込まれてしまうかもしれない。

(文/古澤誠一郎)
(協力/池城美菜子、バルーチャ・ハシム)

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