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第1特集
建築業界で風水が“タブー”視されたワケ

藤原紀香、市川海老蔵夫妻もハマった! Dr.コパ、ユミリー出現でブームを呼んだ"風水建築"の功罪

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――風水の専門知識を持つ建築士に向けて、来春にも「風水建築士」なる資格の認定が開始されるという。風水といえば、Dr.コパこと小林祥晃氏や、ユミリーこと直居由美里氏など、“占い師”的イメージが強いが、その歴史を紐解けば、はなから“怪しいモノ”として扱われてきたわけではない。その変貌の理由とは?

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『風水住宅図鑑―風水で住宅をみるための基礎知識』(太玄社)

 今年は、徳川家康の没後400年だ。葦が生い茂る湿地帯を、風水に基づいて世界一の大都市・江戸につくり変えた家康は、このたびの新国立競技場をめぐるゴタゴタをどんな思いで眺めているのだろうか──。

 そんな戯言を、国土交通省で国道建設を采配する技官のA氏はこう一蹴する。

「江戸時代とは違って、現代の公共事業では、風水を取り入れるなんてはなからあり得ませんよ(笑)。事業の必要性以外にも、地元選出国会議員などの利益代表、反対する住民、予算や環境の問題など、調整事項が山積みなんですから、そこに“迷信”の入り込む余地はない」

 A氏の言う通り、 “迷信”“占い”という位置づけに落ち着きつつある風水だが、しかし、古代から近世にかけては、「学問」のひとつとして扱われてきた側面もある。西洋における占星術が天文学と近しい関係にあったように、風水もまた、地理学や環境学と密接な関係にあったのだ。

 そもそも「風水」とは、その解釈には諸説あるものの、古代中国において、都市や建物などの位置の吉凶を決定するために用いられてきたもので、“気の流れを物の位置で制御する”という思想を指す。風水研究で知られる東京都立大学名誉教授の渡邊欣雄氏は、2000年に『アジア遊学』(勉誠出版)に寄せた論考の中で、かつての風水が「地理」と同意語であり、地形の測量などの科学と密接に関係していたことを説いている。

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