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林賢一のライク・ア・トーキングストーン【2】

“意味”からの解放を目論む哲学的話芸…ブレイク目前の芸人・永野のネタライブに見る極限のトーク

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――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

今月のトークライブ

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永野の業界関係者向けライブ・初日~月の宴~

人物:永野
日時場所:2015年5月23日 @新宿ロフトプラスワン
「ゴッホとピカソに捧げる歌」などでブレイク目前のピン芸人・永野の2DAYS単独ライブの初日。会場は満員御礼であった。


 永野というピン芸人がいる。現在、どれほど注目を浴びている芸人さんなのかを示すエピソードをまずご紹介したい。

 TBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』にて「永野の単独ライブのチケットが手に入らないんだよ。相当面白かったらしいね」と伊集院は語り、「俺、永野くんに会ったことがないんですよ。すごい片想いなの」と、その想いをぶつけていた。

 なかなか陽の目を見ていないが、その芸歴は長く、最近では『アメトーーク!』(テレビ朝日)などにも出演し、宮迫博之が「俺は好き」と発言するなど、芸人からも愛されている。

 そんなミュージシャンズ・ミュージシャンならぬ芸人ズ・芸人な永野の単独ライブ「永野の業界関係者向けライブ・初日~月の宴~」を鑑賞してきたので、そのご報告をしよう。

 今回は「浜辺で九州を一人で守る人」といったカオスなネタから、「悲劇! ヘルスでペニスを噛みちぎられた男」など、テレビでは流せないようなネタまで、永野のネタ祭りといった趣のライブ。もちろん、ネタの精度は非常に高く、十二分に爆笑したのだが、当連載が注目するのはあくまでもトーク。ネタとネタに挟まれる永野のトークには、実はネタ以上の爆発力があり、かつ哲学的で、感動すら待ち受けている始末なのだ!

 例えば、「世界観とか僕のネタにはないんで」と自分を蔑んでみたり、「メッセージとかないんで」と、通常のトークライブにはたいてい設定されているような、お笑いパッケージングを完全否定。永野の世界観やメッセージを求めて会場に来ているはずの観客をトークで牽制するわけだ。君たちは、ただ笑いにきたんだよね?そう観客に語りかけてくるようだ。

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