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ライター・高橋ダイスケの青春のプロレス読闘記【10】

「ガサ入れ餅つき大会で見た 山本小鉄と小林邦昭の姿」

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――本で蘇る、僕たちの青春だったあのプロレスラー・格闘家回顧録。

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『人間爆弾発言』(山本小鉄/勁文社)

 皆さんは正月に餅を食べただろうか?僕が餅で思い出すのは、新日本プロレスが年末に道場で行っていたレスラーたちによる餅つき大会だ。このイベントには多くのファンが訪れ、通報を受けた警官までやってくるほどの活況ぶり。

 その警官にジャージ姿の小林邦昭が対応している様子が、まるでガサ入れのようだったことを鮮明に記憶している。そうして小林が警官を押さえている間に、棚橋弘至、中西学、永田裕志たちがついた餅は道場内に運ばれ、あんこやきな粉で味付けされるのだが……なんと、その作業をしているのがタイガーマスクと山本小鉄である!そして配るのは天山広吉!これは人生最高の餅だった。

 今回紹介するのは、好々爺然として餅を調理する姿からは想像しづらいが、かつてはヤマハブラザーズとして活躍し、引退後は教育係として鬼軍曹と恐れられた小鉄さんの『人間爆弾発言』(勁文社)だ。この本には小鉄さんの愛弟子である藤原喜明、前田日明との対談が掲載されていて、小鉄さんのレスラーとしての矜持や、師弟愛がびんびんに伝わってくる。

 中でも、シゴキに耐え兼ねた藤原が木に包丁を刺して小鉄さんを殺す練習をしていた話や、前田のデビュー戦の相手を先輩が嫌がって結局小鉄さんが相手になったという話がお気に入りだ。それに、写真の使い方もすばらしい。小鉄さんのアップが見開きで掲載されていたのには虚を突かれ、度肝を抜かれた。それも数カ所に渡って!男として小鉄さんのプロ意識を、編集者として豪快な写真の使い方を、僕はこの本から学んだ。

 小鉄さんが亡くなって5年目になるが、僕はこれからも正月の餅を食べるたびに人生最高の餅と、その奥でせっせと餅を調理する小鉄さんを思い出すだろう。警官vs小林の姿と一緒に。

高橋ダイスケ(たかはし・だいすけ)
格闘技経験なしの30歳代フリー編集者・ライター。小誌ほか、グルメ雑誌、ディズニー雑誌など見境のないジャンルで、器用貧乏ぶりを発揮中。憧れの技はラ・マヒストラル。野球と落語も大好物。

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