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【CYZO COLUMN CURATION】西森路代の緞帳がおりたその後で【9】

【西森路代】「永遠を願う女性ファン、悩むイケメン俳優」

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――見られ・選ばれ・生きてゆく?“イケメン”から見える現代社会

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完全に定着したイケメン舞台から、どう旅立てばいいのか。

 最近ネットで、とある舞台の感想ブログを契機に、イケメン俳優と演技についてのトピックが話題になった。そこで気になったのは、イケメン俳優自身が「イケメンであること」を求められる芝居より、演技力を試される芝居に挑戦したいのでは? という仮説に対するファンの反応だ。ファンの中には、どんな芝居にも全力投球で、こちらの求める気持ちを受け止めるのがプロだと考える人も多いだろう。それには同意するが、今回は自分が当の俳優だと想像して書いてみたい。

 もし自分がアラサーのイケメン俳優で、ここ数年イケメンのアイドル性を特徴とした舞台に出ているとする。どんな役を与えられても全力で演じたいとは考えている。でも、自分が出ている舞台は、年齢や設定など役の性質上、いつまでも演じ続けられるものではない。

 だからいつかはテレビや映画なり、イケメンを押し出したものではない作品にも出られるようになりたい。それはもちろん、「イケメン」である自分のことも、そうした舞台のことも、ファンのことも否定しているわけではない。ところが少しでもそう匂わすと、ファンからは「引き受ける力が足りない」と言われてしまう。ファンは永遠にこの状態が続けばいいと思ってくれているが、生身の人間には無理な話……と、引き裂かれた気持ちになることもあるのではないだろうか。

 芸能界では、年齢によって求められる仕事は変化する。ファンのためには変わりたくなくても、自分の人生を考えれば仕事で変化を求めるのは当然だ。

 今はこの齟齬のために、両者が混乱している状態なのだろう。男女のアイデンティティにおいて「仕事」の持つ重みが違うことを想像すると、この混乱の謎は多少は解けるのではないかと思うのだ。

西森路代(にしもり・みちよ)
1972年、愛媛県生まれ。フリーライター。アジア系エンタメや女性と消費に関するテーマなどを執筆。著書に『Kポップがアジアを制覇する』(原書房)、『女子会2.0』(共著/NHK出版)など。

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