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【CYZO COLUMN CURATION】西田藍のアイドル的"制服"偏愛論【6】

【アイドル・西田藍】「制服少女の先にある学校への"欲望"」

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――ミスiD2013の文芸アイドルが業深き"制服愛"を語り倒す!

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澁澤的な、古きよき「ワイセツ」セーラー服のわたくし。夜の街に消える少女……?

 女性アイドルグループって、学校みたい。まっさらなところからアイドルになって、引退は卒業……。私も、短い期間ではあるが、アイドル=学校という図式を経験。日本最大のアイドルイベント、東京アイドルフェスティバル(TIF)に出演したのだ。

 私は、「ミスiDチーム」の一員として参加し、歌と踊りを披露した。目標に向かって高め合う同世代の女の子たちと、振付の先生やスタッフの方々。練習から本番までわずか数日だったけど、まるで部活動のような……青春!

 TIFには100組以上のアイドルが出演しているけど、制服風衣装を着た学校風グループ名のアイドルも多かった。観客はさしずめ保護者? ローティーンアイドルたちがテントで握手や物販をする姿は、文化祭のよう。AKB48が世間に知られ始めた頃の制服風衣装に対する衝撃、禁忌感みたいなものは感じられなかった。

 制服少女と禁忌といえば、澁澤龍彦のエッセイ集『少女コレクション序説』(中公文庫)の中に、「セーラー服と四畳半」という項があって、(「四畳半」とは永井荷風の戯作『四畳半襖の下張』のことで、ワイセツ裁判にもなった昭和50年代の時事ネタだ)彼が定義するには、良風美俗に反する強烈なエロティズムが、ワイセツ。そして「いまの若いひとたちが、私たちと同じような中年の年齢に達した時に、彼らははたして、女学生のセーラー服にワイセツ感をおぼえるだろうか」なんて書いてある。澁澤の心配(?)をよそにセーラー服は定番化。禁忌っぽさは薄れつつも、今では鉄板なワイセツアイテムだ。制服少女に抱くそんなワイセツ感。では現代の男性はどう思っているのか調べていたら、森岡正博『感じない男』(ちくま文庫)に興味深い記述があった。著者自身のロリコン的セクシャリティを掘り下げた本だ。

 なぜ制服少女に惹かれるのか? 同書によれば、その向こうに「学校」が透けて見えるからだという。そう、やはり「学校」が重要なのだ。学校に射精したい。少女を洗脳するイメージに射精したい。洗脳、つまり頭の中を取り替えたい。そして少女になりたい!!
「架空の少女」の中に入り込むことによって、自分自身を心の底から愛したい。著者の制服フェチはその一点に絞られるという。著者いわく、自己否定の感覚から「少女と性交して自分を産み直したい」欲望があるのだとか。

 おぞましい。私は違う。違うと思いたい。しかし、自己否定感と、「少女になりたい」という願望は今も私の中に根強い。TIFでも、とっても健全に「学校」を追体験して満足できたけど、それは私はたまたま女性だから少女への自己同一化が容易なだけで、もしも私が男性だったなら。あの青春は、アイドルを好きだというあの気持ちは、良風美俗に反するワイセツな形でしか発露されなかったのだろうか? 認めたくはないけど、決して否定もできなかった。

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西田藍(にしだ・あい)
1991年10月20日、熊本県生まれ。根暗な青春時代を過ごした後、12年、講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD2013」で準グランプリを獲得。圧倒的な読書量と制服愛を武器に、「文芸コスプレアイドル」として絶賛売り出し中。現在、雑誌「ダ・ヴィンチ」に書評を連載しつつ、『戦後ニッポンサブカルチャー史』(NHK)にも出演中。

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