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第1特集
厚労省を巻き込み営利に走る製薬会社【2】

石油の副産物から薬を生成?野口英世も関与した!? ロックフェラーと医療

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――陰謀論の裏でいつも名前が挙がるロックフェラー財団。世界をまたにかけた巨大財閥がゆえにそうした話題が上がってきてしまうのだが、医療の分野でもそれは同じようで……。

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野口英世 (おもしろくてやくにたつ子どもの伝記 (1)) 

 江戸時代、日本には薬種問屋がいたことは知られている。薬種問屋とは、胃薬や軟膏などの薬を扱っていた商店のことで、中国の薬物書などを基にして工夫を凝らして調剤もしていたようだ。薬の原料となっていたのは、主に植物、動物、鉱物など。化学合成のテクノロジーがあるわけでもないので、それらを乾燥させて粉にしたものを水と一緒に飲んでいた。ここまでは地域の人たちの顔が見える中で薬も製造・販売されており、「顔が見える」ことで不正はある程度抑止できていたとうかがえる。

 一方、海外では近代化が進んで、科学技術の進歩が一気に加速した時代でもあった。日本も鎖国が解けて、明治になってからは西洋の医学・薬学が導入されて、外国へ留学する医学者も増えていった。その中には、野口英世がおり、彼は、ロックフェラー医学研究所に留学していた。当時、同研究所は、彼の研究を後押ししたと言われている。野口が発表した論文の多くが掲載されている「Journal of Experimental Medicine」という学術誌では、同研究所以外の研究者による査読を免れたことが、サイエンスライターのウィリアム・ブロードとニコラス・ウェイドらが著した『背信の科学者たち―論文捏造、データ改ざんはなぜ繰り返されるのか』(講談社)という書籍に書かれている。つまり、ロックフェラー財閥が、製薬業界でも暗躍していたことをにおわせる。

石油会社と製薬会社の関係

 さて、現在の薬の原料が何でできているか、ご存じだろうか? 漢方のように草や木を乾燥させて使用しているものもまだあるが、原料の多くは石油だ。錠剤や塗り薬、注射などの多くの化学薬品は石油からできている。プラスチックなどの工業製品の原料にもなっている石油と、病を治す薬が同じ原料というわけだ。もちろん身体に悪い成分が含まれる場合もあるだろうが、治す効果のほうが高いというコストベネフィットの考え方で処方されているのである。

 ここで紹介したいのが、ロックフェラー研究所のサイモン・フレクスナーが書いた「Medical Education in the United States and Canada」という著作(通称:フレクスナーレポート)。ここにも、製薬業界が我々の健康だけを考えているのではないことがわかる逸話が記されている。

 ロックフェラー傘下の会社には、スタンダード・オイルという石油や石炭を扱っている会社がある。石炭をより発熱量の高いコークスにする過程で、コールタールという副産物ができるのだが、フレクスナーレポートには、このコールタールを医薬品へと応用する技術について書かれているという。しかし、コールタールには発がん性物質が含まれおり、これを初めて発見したのが、日本人研究者の山極勝三郎(やまぎわかつさぶろう)といわれている。山際氏は、兎の耳にコールタールを持続的に塗布し、人工がんを発生させることに成功。当時は発がんの仕組みがよくわかっていなかったのにもかかわらず、誰にでも再現できるような形で発表したことは世界的に評価されるべきだった。ただ、この研究が当時あまり世に出なかったのは、ロックフェラーの持つ政治力と関係があるという陰謀論めいた話がある。

 そして、その後の1926年、山極氏の発表をかき消すかのように、ヨハネス・フィビケルという人物が、がん発生のメカニズムでノーベル賞を取った。フィビゲルは、線虫や条虫などの寄生虫が発がんに関係していると結論づける寄生虫発がん説を唱えた。彼自身は、ロックフェラー研究所と関連はないものの、当時はその再現性も認められてノーベル賞を受賞している。いまの常識では寄生虫が発がんの原因などと誰も考えないだろうし、実際これの間違いは認められているのだが……。

 なお、ロックフェラー研究所出身のノーベル賞受賞者は、化学賞と医学生理学賞の受賞者で20人を超えている。同賞の受賞にはロックフェラー財団の威光がかかっているという話もまことしやかに噂される。ロックフェラーの利益追求が、医療分野にまでも及び、我々の健康が脅かされ続けているのかもしれない。

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