サイゾーpremium  > 特集2  > 雑誌から読み解く10代女子カルチャー進行形

──古くは90年代の「egg」モデルや「Popteen」モデル、最近であれば益若つばさやきゃりーぱみゅぱみゅ。同世代の女子から支持を受けるカリスマな彼女たちは、雑誌を足場にして生まれた新しいカルチャーの顔として台頭してきた。では、今の10代女子向け雑誌では、どんな新しい脈が蠢いているのか!?

いつだって新しい潮流は女子から始まってきた!?
どれが一番おもしろい? 3誌読み比べ

 ティーンエイジャーの女子向けに作られた雑誌を、オッサン目線で読んでみた。

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【1】目指せ「ストニュー」? “リアル白書”系
「HR」
発行:グラフィティ・マガジン(隔月10日) 価格:450円(税込)

 2010年に創刊された、現役高校生が多数登場するストリート系雑誌。女子ファッション誌というよりは情報誌で、04年から発行されている20代向けカルチャー誌「Tokyo graffiti」の後輩誌に当たる。タレントではない現役高校生の読者モデルと、一般の高校生への取材やアンケート、ストリートスナップで構成されている。特集テーマは「ファッション」「恋愛」のほか、「人気高校生ベスト●」といった形で登場する読モ高校生を重点的に取り上げるものも。きゃりーぱみゅぱみゅも高校3年時は同誌の読モであり、同じく読モだった当時の彼氏とカップルで表紙を飾っている。

 雑誌の構成などは、90年代中盤に人気を誇った「東京ストリートニュース!」(学研)のフォロワー的な印象だ。ただし、ギャル寄りの女子が多かった「ストニュー」に対し、こちらはきゃりーを輩出したことからもわかるように、どちらかというと原宿系。

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【2】大手事務所の若手がモデルで多数
「Seventeen」
発行:集英社(毎月1日) 価格:580円(税込)

 マンガ誌として68年に創刊され、以後リニューアルを重ねて88年よりファッション誌になった。基本的には完全なファッション誌であり、人気ブランドの新作コーディネートやヘアカタログ、着まわし企画がカラーページの大半を占める。モノクロページは恋愛の悩み相談や進路相談、学校で流行っていることに関する読み物企画。

「STモ」と呼ばれる専属モデルが活躍し、田中美保や鈴木えみ、徳澤直子など、その後、女性誌モデルとして大成した人物も多い。基本的には皆芸能プロに所属しており、現在は、橋本愛(SMA)、大野いと(ホリプロ)、広瀬アリス(フォスター)、森川葵(スターダスト)、三吉彩花(アミューズ)らが専属。オスカーの剛力彩芽、武井咲も数年前まで専属モデルを務めていた。こうした顔ぶれからもわかる通り、各事務所の次世代を担う女優・タレントの登竜門としても機能している。

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【3】唯一無二“悪羅悪羅”ギャル以外お断り
「SOUL SISTER」
発行:大洋図書(隔月17日) 価格:500円(税込)

「men’s egg」や「MEN’S KNUCKLE」を超えるヤンキーファッション誌として、創刊時から雑誌ウォッチャーを震撼させた「SOUL Japan」。“悪羅悪羅系”という、流行語大賞には絶対ノミネートされない新語を作った同誌の女性版が「SOUL SISTER」だ。「女」「姐」といった言葉を打ち出し、ギャルの中でも特に“強め”なファッションを推している。タトゥーやバイクに関する企画もあり、読み物ページに記される恋愛エピソードなども「彼氏が捕まって、もうすぐ出所する」などハードめなものが満載。アウトローな女子たちの世界が展開されている。

 モデルは基本的に読者モデルで構成され、事務所に所属しているタイプの子はほとんどいない。ヤンキーならではの地元重視もあり、地方在住者も少なくないようだ。

 ここまで、イベントやバトルといった実際の場所、あるいはネット上のコミュニティから生まれた新しい10代の文化について触れてきた。最後に、従来のメディアである紙媒体を見てみよう。特にここでは、過去にギャルブームや原宿系ブームを生んできた女子向けファッション誌に着目してみたい。

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