サイゾーpremium  > 特集2  > 【谷 一歩】「液体のような私を受け止めて...

識者が語る「多崎つくる」【2】

谷 一歩(たに・はつほ)
1990年、千葉県生まれ。警視庁に勤務していた父と元アナウンサーの母を持つ。2011年ミス千葉大学・準グランプリに選出され、芸能界デビュー。医師、実業家、弁護士等、22人の交際相手がいることを公言している。オフィシャルブログ『千里の道も一歩から』〈http://ameblo.jp/hachiippon/

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──ハルキストをブログなどで公言する千葉大学出身のアイドル、谷一歩。彼女を取り巻く22股交際の男性たちの共同体"谷コミューン"は、村上春樹作品にインスパイアされたものだという。そんな彼女と、最新作の主人公・多崎つくるの共通点とは?

 村上春樹さんの作品を初めて読んだのは、高校2年生の時。友達に勧められて『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んで、ものすごく衝撃を受けました。そこには私が長年ぼんやりと抱えていた“欠落感”みたいなものが、明確かつ立体的に言語化されていたから。

 私は両親の庇護の下、何不自由なく育てられてきました。おかげで十分な教育を受けられたし、自分が過ごしている環境について悩むこともなかった。いわゆる“恵まれた人生”を送っている──そのことは、私自身も理解していたんです。でも、それと同時に「自分には足りないものがある」という感覚も常日頃からあって……そこは「容器としてはある程度形をなしているかもしれないが、その中には内容と呼べるほどのものはろくすっぽない」という自己認識に苛まれていた多崎つくるとリンクしますね。ただ、私と彼には決定的に違うところがあって、私の場合は「容器と呼べるほどのものはろくすっぽない」という状態。つくるを「お茶の入っていないコップ」とするならば、私は「コップに入っていないお茶」なんですよ。だから、今にもこぼれてなくなってしまうんじゃないか……という不安がずっとある。

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