サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 【科学/竹内薫】ノーベル賞研究の裏で隠蔽された真実
第1特集
各業界の"本職"に聞く「オレたちのタブーを破った映画」【3】

サイエンス作家・竹内薫が推す ノーベル賞研究に剽窃疑惑!? 真実を追った作品

+お気に入りに追加

竹内薫(たけうち・かおる)
1960年、東京都生まれ。サイエンス作家。著書『99.9%は仮説』(光文社新書)は40万部を超えるベストセラーに。物理、数学など幅広い科学ジャンルで執筆活動を行う。『たけしのコマ大数学科』(フジ)に出演中。

1303_wide_3.jpg

 今回、科学分野でタブーを破った映画を選ぶということでしたが、そもそも未知の真理を追究する科学そのものにタブーはないと、私は考えています。しかし、科学者が人間である以上、研究所の力関係があったり、iPS細胞やES細胞をめぐる倫理といった社会のタブーに巻き込まれるというのはよくあることです。

 例えば、映画ではないのですが、アメリカの科学番組『DNA:SECRET OF PHOTO 51』【1】はノーベル賞受賞者のタブーに切り込んでいます。ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックは、DNAの2重らせん構造を解明し、ノーベル賞を受賞しました。しかし、この番組はその研究過程の裏に隠された秘密に迫ります。生物学者・福岡伸一さんの著書『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)でも触れられていますが、DNAの構造解明の決め手になったのは、女性研究者ロザリンド・フランクリンが撮影したX線回折写真 「PHOTO 51」だったといわれています。ところが、彼女の研究成果は、先輩の研究者モーリス・ウィルキンスによって、ワトソンとクリックの手に渡ってしまう。この後、2人はノーベル賞受賞に至る功績を挙げるわけですが、一方のフランクリンは、1962年のノーベル生理学・医学賞授賞式の壇上に立つことなく、58年に37歳の若さでこの世を去ります。本作では、この世紀の剽窃事件の真相を追及するため、モーリス・ウィルキンス本人へのインタビューを敢行。そこから、受賞研究者を擁護する科学界の悪習や、男性中心の“研究者社会”の実情をあぶり出しており、科学界を取り巻くタブーに迫った一本です。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年11月号

Netflix(禁)ガイド

Netflix(禁)ガイド
    • SNS時代の【アメリカ】動画
    • ケガしても【拡散希望】の狂気
    • 海外ポルノ界の【全裸監督】たち
    • 本家【全裸監督】の海外での評判は?
    • 【小林直己】ネトフリで世界進出
    • 世相を反映【ディストピアSF】傑作選
    • 【A-THUG】が推すドラッグ番組
    • 下品なだけじゃない【恋愛リアリティ番組】
    • 【恋愛リアリティ番組】一挙レビュー
    • 【みうらうみ】ネトフリドラマグラビア
    • ネトフリ人気作の【エロ依存度】
    • 【人気作6作】のエロシーン検証
    • 【奈良岡にこ】再生数アップのサムネ術
    • 【スタンダップコメディ】作品のトリセツ
    • 【スタンダップコメディアン】が語るAマッソ問題
    • 【クィア・アイ】と女言葉翻訳の問題
    • 【差別語】翻訳の難しさ
    • 配信で見返す【90年代ドラマ】
    • タブーな【民法ドラマ】6選

収監直前ラッパーD.Oの告白

収監直前ラッパーD.Oの告白
    • 【ラッパーD.O】悪党の美学

NEWS SOURCE

    • 【関電スキャンダル】3つのタブー
    • 【あいちトリエンナーレ】騒動の余波
    • 【浜崎あゆみ】ドラマ化と引退疑惑の真相

インタビュー

    • 【松本妃代】──実は踊れる演技派女優
    • 【FUJI TRILL】──モッシュを起こすヒップホップDJ
    • 【Neon Nonthana & Eco Skinny】──カップルの日常ラップ

連載

    • 表紙/福井セリナ「ポッと入ったんです。」
    • 【石田桃香】紫に包まれる肢体
    • 【真帆】がいるだけで
    • 【日本】で新しいことができないワケ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(後)
    • 追悼【高須基仁】という男
    • 不要な【アレンジ】おもてなし魂
    • 【Lizzo】女性MCたちの一斉開花
    • 町山智浩/【ハスラーズ】ストリッパーの逆襲
    • 【アメリカに依存する】日本のサイバー戦争対策
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/TOKIOの晩年
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【愛がなんだ】がヒットする日本のヤバさ
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元エンジニアが作る【古代クジラ】を冠したビール
    • 更科修一郎/幽霊、TVの国でキラキラの延長戦。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』