サイゾーpremium  > 特集  > 【無料】エロアニメの名作『くりいむレモン...

──日本におけるアダルトアニメの金字塔といえば、『くりいむレモン』シリーズだ。18禁のOVAでありながら、この作品が各方面に与えた影響は大きい。今回はそんな『くりいむレモン』シリーズ第4弾『POPCHASER』を手がけ、後に『老人Z』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を監督した北久保弘之氏に、現在のエロ描写アニメについて話を聞いた。

特集「エロすぎる深夜アニメの世界」
【無料】なんと! PTAも真っ青 "騎乗位"も"近親相姦"も描く地上波エロアニメ過激化の真相
【無料】女の子のアソコをばっちりガードしちゃうぞ 規制の抜け道「光と湯けむり」の淫靡隠し
【無料】エロアニメの名作『くりいむレモン』北久保弘之監督が地上波エロアニメに物申す!

1201_popchaser.jpg
『POPCHASER』より。18禁OVAのため、乳首などは最初から解禁されているが(上)、結合部などは見せられないため、カメラアングルなどの演出でカバーしている(下)。

 自分の監督デビュー作は、日本のアダルトアニメの先駆けであるOVA『くりいむレモン』シリーズの『POPCHASER』という作品でした。『POPCHASER』を作った当時は、アダルトアニメに真面目に取り組もうとした人はほとんどいなかった。自分は「引き受けた以上は、きちんと抜けるものを作ろう」と思って制作をしていましたね。そしたら、思わぬ反響があって、女子高生からファンレターが来たこともありました。18歳未満が見たらダメなんですけど(笑)。

 現在放映されているアニメを詳しく見ているわけではないですが、最近アニメの性表現が話題になっていることは知っています。今年の7月から改正都条例も施行されましたが、自分も規制される側の人間なので、もちろん無関心ではいられません。

 光や不自然な煙などでエロい部位やシーンを隠して放送することが多いですが、この風潮はあまりよくないと思います。例えば放送禁止用語というものがあるように、「これは放送しちゃいけない」というものは、みんななんとなくわかっている。そこに、「放送してはいけない部分に、何か見えなくするようなものを入れたので大丈夫」なんていうのは、プロの仕事とはいえないですよ。

『POPCHASER』は、何十本も作られた『くりいむレモン』シリーズの中で、作中にモザイク処理が入らなかった唯一の作品です。自分が作品を作る時の意図として、アニメに没頭してもらわないと、視聴者は作品の世界に感情移入できないというものがあります。例えば、絵の世界にいきなりモザイクが入ってきたら、その瞬間に誰かの検閲が入ったものだと感じて興ざめしてしまうじゃないですか。性器というものは男女問わず誰もが持っているもので、そのもの自体がいやらしいわけではなく、そこに及ぶ行為がいやらしいと思うわけです。性器を見せれば、アダルトアニメとして視聴者は満足するのか、というと、そういうことではない。こうした信念のもとに、『POPCHASER』では、隠すべき箇所は演出で映さないようにして、作品中にモザイクは一切入らないようにしました。

 97年のポケモンショック以降、テレビアニメに表示されるようになった「部屋を明るくして離れて見てね」という文言も、モザイクと同じです。はっきり言って、あんなものが流れるアニメなんて作りたくないですよ。

 ともあれ、仮にDVDなどのパッケージ版では規制がすべて除かれたバージョンが見れるというのが売りならば、堂々と最初からそのバージョンで、テレビで作品を発表すべきなんです。見せられないから、テレビでは隠しますというのであれば、DVDになろうが最後まで隠し通しなさいよ、と思います。

 もちろん表現の規制に関しては、作る側も好きでこういう表現を選んでいるとは思えません。ただ、こういうシーンが出るとお客さんの食い付きがいいのは確かです。そこには、需要と供給がありますが、単に視聴者が「おっぱいが見たい」、制作者が「おっぱいを描きたい」というのであれば、それはアダルトアニメでやったほうがいい。謎の蒸気や光で隠したって、ごまかそうとしてごまかしきれていない中途半端な映像にしかなりません。

 もし今後作られるアニメに、そうした性表現が否応なく含まれるようになるのであれば、それはアニメーションの敗北宣言だと思います。

北久保弘之(きたくぼ・ひろゆき)
1963年生まれ、東京都出身。アニメ監督。15歳で『機動戦士ガンダム』に参加し、その後、着々とキャリアを積み重ねる。85年にアダルトOVA『くりいむレモン』シリーズの『POPCHASER』で監督デビュー。主な監督作に『老人Z』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』、BOØWYのPV『MARIONETTE』のアニメパートなど。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年9月号

戦争と平和

戦争と平和
    • 平和を願った【ジャニー喜多川】の戦後史
    • 【スピルバーグ映画】が訴える戦争
    • アメリカの【アトミック・カルチャー】
    • 【PTSDになった日本兵】の悲しき境遇
    • 【BTSDアメリカ兵】を描いた傑作映画
    • 米軍では反発も…【LGBT自衛隊員】の憂鬱
    • 戦争を金に!【トランプ】の魂胆
    • ドラッグ、殺人【米ラッパー】の司法戦争
    • アイドルが歌う【反戦歌】と音楽業界
    • 【激戦地区】の異文化と気候の地政学
    • 【映画監督・塚本晋也】ベトナム戦争映画のトラウマの意義
    • 【映画監督・想田和弘】GoProで撮影された映画で観客が失神
    • 【映画監督・宮崎大祐】戦争の記憶を掘り起こす異常な暴力映像
    • 【ラッパー・Kダブシャイン】禁断のアメリカ史を描いたフィルムメーカー
    • 【イスラーム映画祭主宰・藤本高之】中東紛争に肉薄した3作品
    • 卍とハーケンクロイツ【ナチスと仏教】の結びつき
    • 国防としての【サイバーセキュリティ】

竹内渉、究極の"美尻"撮

竹内渉、究極の
    • 【竹内渉】が魅せた色香と素顔

NEWS SOURCE

    • 【関ジャニ錦戸】退所報道の舞台裏
    • 【ソニー】音楽ビジネス大改革の裏側
    • 【秋元司・内閣府副大臣】の疑惑とは

インタビュー

    • 【上原実矩】──"年金"で女優業に目覚める !?
    • 【田川隼嗣】──18歳が月9の現場で武者震い
    • 【釈迦坊主】──元ホストラッパーの光と闇

連載

    • 【RaMu】二郎デビューしたんです。
    • 【川上愛】スパイに間違えられたモデル
    • 【菜々子】が一番大事
    • 【動画メディア】の未来と情報発信のあり方
    • 【萱野稔人】人間は"教育"によって生かされている(後)
    • 高須基仁の/【テレビ】はもう終わった
    • 盆踊りに【使徒】襲来
    • 中国大富豪たちの【ポッドキャスト】
    • 【RIZE】逮捕で考える薬物とロック
    • 町山智浩/【おしえて!ドクター・ルース】90歳のセックス・セラピスト
    • ポピュリズム政策【MMT】は日本経済の救世主か?
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/帝国の翳り
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/マンガ『1122』ソリューションとしての不倫
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 伊賀の里でビールを仕込む【忍者ブルワー】見参!
    • 幽霊、新しい大衆はもう猿を見ない。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』