サイゾーpremium  > 連載  > 学者・萱野稔人の"超"哲学入門  > 本当に、人を殺してはいけないのか? 死刑...
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第13回

本当に、人を殺してはいけないのか? 死刑が揺るがす道徳の普遍性

+お気に入りに追加

──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

1108_kayano.jpg

第13回テーマ「殺人の正当化と定言命法の普遍」

[今月の副読本]
『実践理性批判』
カント著/岩波文庫(79年)/903円
絶対的な道徳というものは存在しうるのか? また、人は自らの意思により、それに従うことはできるのか? 『純粋理性批判』『判断力批判』と併せた三批判書により、批判哲学の祖を築いた哲人による倫理学の名著。


 道徳の中で最も普遍的で根本的なものとはなんでしょうか。多くの人はおそらく、人を殺してはいけないという道徳だ、と答えるでしょう。

 実際、「人を殺してはいけない」という道徳はあらゆる社会に見いだされるものであり、また、「嘘をついてはいけない」とか「盗みをしてはいけない」といった道徳よりも、はるかに多くの人によって守られています。もちろん殺人事件は常に世界のいたるところで起こっている以上、「人を殺してはいけない」という道徳は完全に守られているわけではありません。しかしそれでも、殺人事件が起こればほとんどの人は条件反射的に「よくないこと」と考えるほど、「人を殺してはいけない」という道徳は確固たるものとして人々の間に根付いています。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2020年2月号

新しいニッポンのタブー

新しいニッポンのタブー

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。
    • 小悪魔【川瀬もえ】が脱ぐ

インタビュー

連載

    • 表紙/華村あすか「イオンで十分なんです」
    • 【桜田茉央】ミスマガ受賞者の箱入り娘
    • 【AV界】期待の新人セクシー下着
    • 【鈴木ふみ奈】タレントと企業のカンケイ
    • 【増田と鷲見】のラブゲーム
    • 【AI】がインターネットを根底から揺さぶる
    • 【五所純子】「ドラッグ・フェミニズム」
    • 【萱野稔人】"殴り合い"はなぜ人間的なのか
    • 機構影響を受けぬ【雪まつり】
    • 【丸屋九兵衛】キアヌ・リーブスを語る
    • 【町山智浩】「リチャード・ジュエル」FBIとマスコミの欺瞞
    • 【薬物事件】をめぐる刑罰と報道の問題点
    • 小原真史の「写真時評」
    • 笹 公人「念力事報」/ゴーンの大脱出
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/「アナと雪の女王」にモヤる理由
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 大手ビールメーカー出身者が【ブルーパブ】を開業
    • 更科修一郎/幽霊、闘争で情念を語る少年マンガ。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』